「男らしさ」が命を奪う?データで判明《男性が不調を放置しやすい》深層心理と社会の問題――再検査放置で手遅れになる男性の悲劇

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「受診を業務の一部」と位置づけてほしいと思います。ヨーロッパでは就業時間内に医療機関を受診する権利を法的に保障する国もありますし、日本でも「インフルエンザ接種の勤務扱い」から一歩進め、再検査や専門外来の受診までを認める企業が出始めています。

さらに、個人と家族が「誕生月受診ルール」を定めるのはどうでしょう。ルーティン化は「忙しかったら翌月に」という無限延期を防ぎます。

SNSや社内ポータルで<体調・健康を管理できている=かっこいい>というストーリーを可視化することも効果的です。筋トレを投資情報などと並べて、健診行動をシェアする文化が広がれば、受診は弱さではなく「自己管理スキル」と捉え直されるはずです。

生産性を維持する重要な要素

働き手の不足が深刻化する日本社会において、早期に医療機関を受診することは、個人としては、健康を維持して働き続けることにつながりますし、企業や社会全体から見れば、生産性を維持するために重要な要素だといえます。

今度の日曜日は父の日です。

夫や父親に「いつまでも元気でいてほしいから、再検査のお知らせが来たり、不調があったりしたら必ず病院に行ってね」と伝えてみるいい機会です。こうした家族の気持ち、願いこそ最高の受診勧奨になるのではないでしょうか。

久住 英二 立川パークスクリニック院長

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科専門医、血液専門医であり、旅行医学やワクチンに関する造詣が深い。国家公務員共済組合連合会虎の門病院で内科研修ののち、臍帯血移植など血液がんの治療に従事。血液内科医としての経験から感染症やワクチンにも詳しく、常に最新情報を集め、海外での感染症にも詳しい。2024年12月に立川高島屋SC10階に内科、小児科、皮膚科の複合クリニック「立川パークスクリニック」を開業した。

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