職場の人間関係に「線を引く」コツ、いつも一生懸命で疲れすぎてしまう人へ精神科医がアドバイス。「ずるい」人のマネもしちゃっていい!

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こんな「べき思考」を、業務に支障がないにもかかわらず、「◯◯すべきだ」と強要したり、人を責める人はいるものです。「自分の価値観=他人の価値観」ではありません。そんな人の「べき」に巻き込まれないよう線引きをしていきたいものです。

まとめ:「べき」に巻き込まれない

「ずるい人」のマネをしてみる

職場でもどこでも「ずるい」と思うことって時々ありますよね。

・部署が忙しそうだから有給休暇を使ってないのに、「旅行に行くので有休ください」という後輩に「ずるい」と思ってしまう
・自分は無理して上司の誘いに乗っているのに、「今日は疲れてるので、すみません」と気軽に部下に断られると「ずるい」と思ってしまう

実際は、自分も有給休暇はとれるし、誘いを断れます。すべて「自分の領域」の範囲内ですから、本来は自分でコントロールすることができるはずです。

でも、気をつかったり、他人の目を気にしたりして我慢しているから、他の人が自由にしているとイライラしちゃうんですよね。

こんなふうに他人を「ずるい」と思って、自分を被害者にしてしまうのは、ちょっともったいないかもしれません。

「ずるい」は「羨ましい」から生じるもの。つまりその感情はあなたが目標にするものを教えてくれます。

醜い自分の感情に目を向けるのはイヤかもしれませんが、しっかり向き合えば上手な線引きのヒントになるのです。

「ずるい」と思ったら、「自分もそれができるのでは」と考えてみるのです。「要領のいい人」が、「ずるい」と思われることと引き換えに自由を手にしていますが、それは、あなたも手にしていい自由なんですよ。

もし「ずるい」と感じる出来事があったら、ちょっと「ずるい人」のマネをしてみてはどうでしょうか。

・部署の人の顔色をうかがわずに、有給休暇の申請を出す
・「疲れたな」と思ったら、誘いをきっぱり断る

こうすることで「自分にも自由がある」と実感できると思います。真面目な人や責任感の強い人に、注意してほしいことがあります。それは、「自分の領域の外の責任を負いがちなこと」です。

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「部署が忙しそうだから有給休暇を申請できない」というのは、労働者の権利である有給休暇をとれない状況を放置している「組織の問題」です。

よくネットなどで、たびたび話題になることとして、「バイトリーダー問題」というのがありますよね。アルバイトにもかかわらず、社員が担うべき業務や責任を過剰に負わされてしまう人たちのことです。

彼らが、ネットで愚痴や不満を吐露しているのを、私も目にしたことがあります。とくに責任感の強い人ほどリーダーをまかされて、搾取されることが多いように思います。

ただ、そういう人たちに伝えたいのは、「『それは、本当に自分が負うべき責任なのか』を考えてほしい」ということですね。自分の領域の外にある責任をたくさん負わされるのは、「搾取」ですから。真面目な人、責任感の強い人には、とくに気をつけてほしいことですね。

まとめ:「ずるい」と思ったことを「自分もできるのでは」と考えてみる
藤野 智哉 精神科医

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ふじの ともや / Tomoya Fujino

1991年生まれ。精神科医。産業医。公認心理師。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。 障害とともに生きることで学んできた考え方と精神科医としての知見を発信。著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)など。

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