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アップルが過去5年で90億ドルの不正アプリや取引を却下。手作業審査で築いた安全な流通環境とは

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  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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ちなみにアップルが手数料を徴収しているのは有料のアプリとアプリ課金のみ。App Storeで流通しているアプリのほとんどは広告で収益を得ている無料アプリだが、そこからは1銭も利益を得ていない。

さて、それではアップルはApp Storeでの流通からどの程度の利益を得ているのだろう。

ここにアメリカ市場だけに絞ったものだが、最新の2024年のApp Store売り上げ情報がある。売上高は4000億ドルで、その内訳は物理的商品・サービスによる売り上げが2770億ドル(アップルへの手数料なし)、広告による売り上げが750億ドル(アップルへの手数料なし)、デジタル商品・サービスの売り上げが530億ドル(アップルへの手数料あり)だという。

ということは、アップルの取り分は、この530億ドルの15%に当たる79.5億ドルと30%に当たる159億ドルの間で、4000億ドルの売り上げの0.2%から3.9%の間で96%以上は開発者に還元しているという計算になる。

それにもかかわらず、この状況に不満を持つ開発者もいる。アプリが審査を通らなかったり、15%あるいは30%の手数料が高額だと訴える開発者たちだ。日本と欧州では、そうした開発者の声を優先して新たな規制が始まっている。

スマホ新法が招く安全性懸念

日本では2025年末からスマホ新法(正式名称:「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」)が施行される。現在のiPhoneのアプリをApp Storeを通してしかアプリを流通できないという仕組みは「公正な競争を阻害している」という理由で、他社によるアプリストアの設置受け入れを法律で強制するというもの。

つまり、来年からは日本のiPhoneでは、App Storeに加えて他社が運営するアプリストアも利用可能になる。

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