【野田佳彦・単独インタビュー(後編)】石破首相へのリスペクトと失望 国難突破へ「共闘」か「覚悟」か?

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塩田:立憲民主党が描く政治・経済・社会などの将来像という点で、もう一つ、経済政策の基本プラン、つまり国の基本路線となるマクロ経済政策は、どんな構想を。

野田:マクロ経済政策は、再分配、強い経済を造るための投資の問題、自由貿易の推進など、いろいろな点があります。党内の議論も各部門もやっています。人類が命懸けで獲得した価値は「自由と平等」ですが、規制緩和で統制経済を打ち破っていくときは、「自由」をという右足を出さなければいけないと思うけど、右足ばかり出しすぎてバランスが悪くなり、格差が広がってきたときには、再分配を通じて「平等」の左足を出すときもあると思う。

私は「二足歩行」で、何かイズムで偏ってはいけないと思っています。国内的には、アベノミクスは副作用も含めて、むしろネットでマイナスだと思っています。今は左足を出すべきです。左足を出すときは、再分配を強調する政策で行くのも正しい道ではないかと思いますね。

その立て直しのために、格差が広がった分の再分配をきちんとやらなければいけない。一方で、放っておけば人口減が進むわけです。いろいろと国内で工夫はあるかもしれませんが、限界があります。やはり海外から人を入れていくことも含めて、開国の路線も作っていく。人権の問題も含め、抜本的に体制変革が必要になると思います。

首相退任から野党第1党の党首になったワケ

塩田:2012年の首相退任から約12年を経て野党第1党の党首に。今、なぜ再登板ですか。

野田:自分が代表になろうとは全く思っていなかったんです。中堅・若手からいいリーダーが出てきて、それを育てたほうがいいと思っていた。だけど、もしかすると政権交代の可能性もあるという状況になってきて、逆に中堅・若手からの依頼があり、重い腰を上げました。

今までの経験は、決して胸を張れるようなことばかりではなく、反省することもいっぱいありますけど、こういう困難な時期ですので、やはり政権を取りに行く。少なくとも道筋をつけるのが私の役割だと思いました。それで、反省も含めて、もう一回、チャレンジを、という覚悟になりました。

代表選を1カ月後に控えた2024年の8月半ば以降、衆議院第1議員会館のこの部屋に、代表選にと依頼に来る人が多かった。1回、政権を担当したことがあり、外交も財政も通商政策も、あらゆる経験があるので、それをもう一回、活かしてほしいということだったと思います。その経験を活かす中で、中堅・若手もいろいろな役割を経験しながら育っていくという図を思い描いていた人たちが多かったのでは。

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