【野田佳彦・単独インタビュー(後編)】石破首相へのリスペクトと失望 国難突破へ「共闘」か「覚悟」か?

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塩田:首相退任後、もう一度、党首として政権を、という意識がありましたか。

野田:いや、決してそうではないですね。必死にもがいて岸に着こうと思って泳いでもたどり着かないように、引き寄せられないと、動かないんですよ。引き寄せられる瞬間もないのに、もがいて岸に、とは全く思っていませんでした。

塩田:これまでの政治経験の中で、糧にしなければ、と思う最大の教訓は。

党内マネジメントについては反省すべき点があった

野田:首相のときの選択は、「社会保障と税の一体改革」、尖閣諸島の国有化、原子力発電所の再稼働など、苦しい決断ばかりでした。自分の選択は、歴史の評価にゆだねますが、自分なりにその時点でのベストの判断だったと思っています。

反省すべき点は、党のマネジメントのほうですね。与党の党首として、党のマネジメントができなくて、離党者が出たりした。熟議してまとまらなければいけないのに、当時は51対49の決定でもいいという気持ちがどこかにあった。決めるときに、ついてこられない人がいたら仕方ないというところがありました。今回はリアルパワーが大事だと思っています。集まった人たちを大事にしながら、それを活かして、どうやって政局を作っていくか。今回はそういう判断をさせてもらった。それが一番ですね。

塩田:リアルパワーを確保・維持するために、立憲民主党のマネジメントという点で最も重要なポイントは。

野田:今回は離党の動きはありませんし、まとまって仕事をしてもらっています。このパワーを活かしながら、特に消費税政局については、過去に修羅場をくぐり、あらゆるやり取りをしてきていますので、リアルパワーがある中で消費税の話を進めるなら、むしろこちらの武器になっていくと思います。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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