【野田佳彦・単独インタビュー(後編)】石破首相へのリスペクトと失望 国難突破へ「共闘」か「覚悟」か?

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塩田:7月の参院選では、去年10月の衆院選に続いて、自民党と公明党の連立与党の合計議席が過半数割れとなるのかどうか、つまり衆参で少数与党という状況が生まれるかどうかが最大の焦点、と位置づける見方が有力です。

野田:衆議院では、与野党が伯仲する緊張感ある関係ができ、予算の修正までできるようになりました。野党が固まれば、議員立法も通せる環境も出てきた。同じような緊張感を参議院でも作れるようにすることが大前提だと思う。3年に1回の選挙ですから、その改選議席で与党を過半数割れに追い込み、野党の議席を最大化することだと思いますね。

塩田:選挙後の参議院全体で、与党の自民党と公明党の合計議席数が半数に届かない過半数割れが目標ですか。それとも今年の参院選での自公両党の獲得議席数を、改選となる議席の半数以下に、というのが目標ですか。

野田:まずは改選議席の過半数割れですね。勢いがつけば全体での過半数割れまで持っていきたいです。それは相当、劇的なことです。

自民党を倒して、お金の使い方を変える

塩田:もう一つ聞きたいのは、衆議院の少数政党並存という政治状況で、将来、立憲民主党は自民党と連立を組むという構想を考えていますか。

野田:あくまで政権交代です。自民党を倒して、お金の使い方を変える。そこに政権交代の意味があると思います。やはり非自民で政権を取りにいくのが基本だと思っています。

塩田:「国難・救国大連立政権」という発想に立って場面転換を、という可能性は。

野田:基本は政権交代です。自分たちで予算を作ってお金の使い方を変えることをやりたい。

塩田:その場合、政権交代でこれからの日本をどんな国にしようと考えているのか、大きな政治の枠組みのシナリオと、個別の重要な政策の両面があると思いますが、立憲民主党はそもそも一体、どういう政治を目指しているか、国民には見えないところがあります。

野田:私は今回のトランプ関税で、大きな道は見えてきたと思っています。道は一つです。今、日本は例外扱いをお願いしますという交渉ですが、そうではなく、間違いなく保護主義が台頭してきて、世界中が困っているわけですから、日本は自由貿易の旗手になるべきだと思います。

アジアやヨーロッパの国々と連携して自由貿易圏を広げていけば、GDP(国内総生産)の規模で世界の6~7割を占める。WTO(世界貿易機関)の機能不全を埋めることができる。それができるのは日本です。海外に投資するのではなく、融資する。「自由貿易投資立国」「通商立国」を目指すべきだと改めて思います。

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