CATLが開示した目論見書によれば、同社は今回調達した資金の9割をハンガリーで進めている電池工場の建設プロジェクトに投じる計画だ。残り1割については運転資金などの一般用途に充てるとしている。
ハンガリーのプロジェクトは3段階に分けて進められ、総投資額は最大73億4000万ユーロ(約1兆1951億円)、完成時の年間生産能力は100GWh(ギガワット時)を予定している。

CATLによれば、ハンガリー工場は車載電池だけでなく(太陽光発電や風力発電の電力を一時的に蓄える)蓄電システム用の電池も生産可能だ。ヨーロッパの自動車メーカーや再生可能エネルギー関連企業などを念頭に、海外顧客の需要に応えていく。
シノペックと脱炭素推進で提携
「香港市場への上場は、わが社がグローバルな資本市場との関係をさらに深めることを意味する。それは同時に、われわれがグローバルな脱炭素経済を後押しするための新たな出発点でもある」。CATLの曾毓群・董事長(会長に相当)は、香港上場の記念式典でそう述べた。

脱炭素の推進という観点では、中長期の保有を前提にCATLのH株を引き受けた「コーナーストーン投資家」の1社に、中国の国有エネルギー大手、中国石油化工集団(シノペック)の傘下企業が名を連ねたことは注目に値する。
「シノペックにとってCATLは戦略的に重要なパートナーだ。2025年3月に資本提携および事業協力の枠組みに合意している」。中国石化集団資本(シノペック・キャピタル)の周美雲・董事長は、H株引き受けについてそうコメントした。
(財新記者:王小青、安麗敏)
※原文の配信は5月20日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら