低軌道衛星とスマホが直接通信、KDDIが面積カバー率100%に挑む「au Starlink Direct」とは

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この衛星は高速移動しているため、「数分つながって数分切れる」という断続的な接続になる。一度に接続できる時間は衛星が上空に見える時間と一致しており、現時点ではおおよそ3分つながって、その後3分は途切れるというような頻度になっている。

この接続の頻度は今後衛星数の増加とともに高まる見通しだ。SpaceXは2025年1月時点で350機のDirect to Cell対応衛星を打ち上げていると報告しており、1月から3月までの間には週に13機のペースで衛星を打ち上げている。順調に運用が進んでいるなら、4月時点では約500機が上空に存在することになる。

このペースで打ち上げが続けば、テキスト主体のSMSよりもより高速なデータ通信での利用が可能になる日も遠くはないだろう。

競合他社も空からの直接通信に挑む

Starlinkは各国の携帯キャリアと組んでスマホの直接通信サービスを展開しており、アメリカではT-MobileがSpaceX衛星を使った「Coverage Above and Beyond」サービスを2025年2月のスーパーボウルCMで大々的に宣伝している。AmazonのProject Kuiperなどの競合も現れている。

KDDIの動きに対し、国内他社も衛星直接通信の実現を急いでいる。

NTTドコモはAmazonのProject Kuiperと提携し、2025年度中の商用サービス開始を目指す。また、無人航空機で通信する成層圏通信プラットフォーム「HAPS」の開発も進めている。

HAPS
NTTドコモは成層圏を飛ぶ無人航空機でモバイル通信サービスを提供する「HAPS」の技術検証を進めている(筆者撮影)
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