低軌道衛星とスマホが直接通信、KDDIが面積カバー率100%に挑む「au Starlink Direct」とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ソフトバンクはOneWeb衛星やStarlinkを活用した法人向けサービスを既に提供する一方、自社開発のHAPSでも5G通信実験に成功している。

楽天モバイルはアメリカ・AST SpaceMobileに出資し、2026年中のサービス開始を予定している。AST社の衛星経由で世界初の音声通話実験に成功した実績を持つが、商用化はまだこれからだ。

各社とも衛星か成層圏かの選択や、外部提携かスタートアップ出資かなど、アプローチに違いはあるものの、「宇宙からの補完的ネットワーク」の必要性では一致している。6G時代の携帯電話キャリアが取り組むべき領域の1つとなっているということだろう。

通信インフラの可能性を拡張する転換点

KDDIの松田社長は就任会見で「つながって当たり前と思われるほどに通信は発達してきた」と述べた。しかし実際には、地理的制約によって「つながらない場所」は依然として多く存在していた。

衛星直接通信の本質的な価値は、通信可能エリアの概念を拡張する点にある。現在はSMS中心と用途が限られるが衛星の打ち上げが進み、より用途が拡大すれば、通信インフラの地理的制約を取り払い、新たなビジネス機会を生み出す可能性もあるだろう。Starlinkと提携し国内でいち早く商用サービスを開始したKDDIは、その変化の先駆けとなった存在といえる。

石井 徹 モバイル・ITライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事