低軌道衛星とスマホが直接通信、KDDIが面積カバー率100%に挑む「au Starlink Direct」とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

拡大

iPhone 14以降や、サムスン電子製のGalaxy S22以降、2023年以降のXperiaなど、約50機種・600万台のauスマートフォンが対応する。専用の通信端末は不要で、ソフトウェアアップデートにより機能が有効化される。

利用料はauユーザーであれば当面無料で提供される。当面は上位ブランドの付加価値サービスとして提供するため、UQ mobileやpovoなどKDDIのサブブランドでの対応は検討中としている。

夏以降にはデータ通信への対応も予定されており、テキストメッセージだけでなく、インターネット接続も可能になる見込みだ。音声通話については「もう少し先」としている。

「空に浮かぶ基地局」の仕組み

SpaceXのStarlinkが提供するDirect to Cell(スマホ直接通信)は、低軌道を周回する数百基の衛星が「空飛ぶ携帯電話基地局」として機能するシステムだ。従来の衛星電話と決定的に違うのは、特殊な端末が不要で普通のスマートフォンがそのまま使える点にある。

衛星から届く電波をスマートフォンで受信するには技術的なハードルがあるが、SpaceXは従来よりも低い軌道(高度約340km)向けの衛星を開発し、大型アンテナを搭載し、地上のスマホに直接つながる技術を実現している。

実際の利用シーンでは、山や海で圏外になったスマホの画面上部に「衛星」マークが表示され、テキストメッセージを送受信できるようになる。原理的には通常の携帯ネットワークと同じく、基地局との通信だが、その基地局が地上ではなく上空にある点が異なる。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事