『りんごかもしれない』など≪10年で30作品≫を生んだベストセラー絵本作家・ヨシタケシンスケさんが語る、意外な”創作の原動力”
独自の世界観にあふれた作品は、子どもだけでなく大人も魅了してやまない。
前編:『ヨシタケシンスケ絵本「あるある」なのに独特な理由』
人を憎まずに立場を憎む
──絵本や展覧会を作る際には、いろいろな方とのコミュニケーションが必要になりますよね。仕事のコミュニケーションは、どんな点に気をつけていますか?
相手の立場と人間性をわけて考えるようにしているかもしれません。人と話していて「なんでこの人はイヤなことばっかり言うんだろう……」と感じることってありますよね。そういうときは「この人が守らなきゃいけないものって何なんだろう」って考えると、ある程度許せるんです。
展覧会でも「立場上、すぐオーケー出せないよな」とか「事故が起きたらこの人の責任になっちゃうんだもんな」と思えると、こっちにも余裕ができる。お互いに本音と建前があるよね、と認識さえできれば、「俺はいいと思うんだけどねぇ。やっぱでも立場上難しいんだよ」ってところから、もう少し建設的な話ができる気がします。人を憎まずに立場を憎むといいますか。


















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