猛暑を乗り切る“扇風機選び”の新常識とは? 「自然の風を追求」浴び続けても疲れない快適性

現代の夏を乗り切るためには、どんなアイテムが理想的なのか。年々厳しくなる酷暑を快適に過ごすため今、再び注目したい製品に出合った。その魅力に迫ろう。
眠れない現代の夏、快適に過ごすには?
暑い夏、どんな悩みがあるだろうか。「あまりに暑すぎて冷房器具がいくつあっても足りない」「電気代が高い」「寝室の快適な設定温度が夫婦で異なる」「冷えすぎて眠れない」「扇風機をつけると音がうるさい」「部屋干しをするとジメジメして不快……」。そんな悩みを周囲でもよく聞く。個人的には、昨今の酷暑においては、どんな高性能であってもエアコンだけでは、部屋を“冷やす”ことはできても、“快適性”までは追求できないと感じるようになった。
私(筆者)は、中学生と保育園に通う子を持つ共働き家庭の母である。夏になると、中学生の息子は狭い子ども部屋で1人エアコンをガンガンにかけて快適に寝ている。しかし、夫婦と保育園児の娘は、毎夜設定温度に一悶着を起こしながら同じ部屋で寝ている(寝られない)。一般的に男の人のほうが体感温度が高いといわれるが、わが家では私のほうがかなりの暑がりで、さらに娘とくっついて寝ているために体感温度が高い。仕方なくエアコンに加えて扇風機をつけて寝てみたこともあるが、羽根の音が気になり寝つけず、直接の風に当たって娘が冷えすぎる心配もあり、結局消してしまうことが多かった。
そんなわけで、夏の夜はいつも寝苦しい。
そのような悩みを持つ私だが、わが家の課題を解決しうる扇風機があると聞きつけたので、実際に製品を体験しに、青山の旗艦店に行ってみることにした。

その扇風機はバルミューダの「The GreenFan」だ。なんと、すでに発売から15年経つロングセラー製品だという。家電に詳しい方であればご存知の方も多いかもしれない。当時は、扇風機のモーターは「ACモーター」が主流であったが、扇風機に世界で初めて(※1)「DCモーター」を採用したのがこのThe GreenFanだった。
※1 DCブラシレスモーターを搭載したリビング扇風機として世界初(バルミューダ調べ)
DCモーターの優れた点は、電圧でスピードをコントロールできることで、低速でも回す力がしっかりと出るため、細やかな風量調整が可能なことや、モーター音がほとんどしない静かな風が出せることで話題になった。
さらには電気をその名のとおり(DC=Direct Current)直流で効率よく使用するため、消費電力を抑え、1日8時間使っても電気代は一月たったの11円だという(※2)。また、DCモーターは、小型軽量にしやすく、デザインの自由度が高まり、The GreenFanのような「インテリアになる家電」が誕生する素地を与えたのかもしれない。今でこそ当たり前になったが、発売した当時は“インテリア家電”はとても目新しかった記憶がある。
※2 風量1で1日8時間、30日使用した場合の目安。電気代は1kWhあたり31円で計算。(2025年5月現在、バルミューダ調べ)
今だからこそ、お勧めしたい【5つの納得理由】
そんなロングセラー製品であるThe GreenFanだが、発売当初より加速度的に暑さレベルが変わってきた今だからこそ、お勧めしたい理由が大きく5つある。

1・長時間浴びても“疲れない風”
まず1点目は、やはりとにかく「風の柔らかさ」である。店頭でも感じられたが、実際、使用してみるとそのよさをしみじみと実感した。すでに暑くなった5月、寝室で回して娘と昼寝をしてみたのだが、まるで本当にそよ風を浴びているようなのだ。ふんわり包まれるような風のため、娘が冷えすぎる心配もない。
これには、DCモーターによって微風が生み出せる制御力のほかに、特許を取得している特殊な羽根の構造に秘密があるようだ。二重構造の羽根により生まれる風は、速度が異なるために途中でぶつかり合う。それによって、風が放射状に大きく広がり、まるで木陰でうたた寝しているようなふんわりとやさしい風を再現できるのだ。

実際にバルミューダが行った実験では、被験者の多くが「浴び続けても疲れない風」だと感じたそうだ。いわゆる「扇風機疲れ」を生む原因の一つに、局所的に体が冷えすぎることなどが挙げられるそうだが、The GreenFanはふんわりと包み込む風のため、体の一部だけが冷えることはないのだという。
これはエアコンと併用して使用するときにも恩恵がある。エアコンの風を自分だけにスポット的に向けることは難しい。そのため、例えば寝苦しい夜「私だけが暑い……! 寝られない、でもエアコンの温度も低くできない」という問題を感じたままだった。しかし私がこの扇風機を併用することで、みんなが快適な温度のまま、朝を迎えることができるだろうと感じた。
これまでの扇風機ではそれはできなかった。手持ちの扇風機は風が直線的すぎたため、首振りで風が体に当たるときに刺激として感じられ、睡眠を妨げられる感覚があったのだ。The GreenFanの風は首振りにしても、ふんわりと包まれる心地よさがある。「今、風に当たっている」という意識にならないことが、睡眠へと集中させてくれたのである。
“蝶2匹の羽ばたき”とほぼ同じ、静音性
2・圧倒的な“静音性”
2点目は、音に敏感な私でも気にならないくらい静かなことだ。耳障りな音がまるでない。バルミューダの調査によると、風量1に設定したときの動作音は、約10dBであり、これは「蝶2匹の羽ばたきとほぼ同じ」だとか。そもそも蝶の羽ばたきは聞いたことがない。それくらいに静かということだ。これまでのACモーターの扇風機とは比べ物にならないといえるだろう。静音性にこだわりたい場合はお勧めだ。就寝時だけでなく、在宅ワークのときなども集中力を妨げることなく使用できるだろう。

3・特許を取得、自由に設定できる“首振り範囲”
3点目は、首振りの角度を自由に設定できること。ごく狭い範囲の30度から150度まで自在に、しかもボタンを押してから首振りさせたい範囲に手で軽く回すだけで記憶してくれる。広範囲に空気を循環させたいとき、また狭い範囲で洗濯物を部屋干ししたいときにも、無駄なく風を送れてうれしい。簡単に風の範囲が設定できる点も実にストレスフリーである。

4・コードレスで“使用する場所を問わない”
4点目は、別売りアクセサリのバッテリー&ドックを使えばコードレスで使える点だ。わが家は3階建てで、浴室は1階、寝室は3階にある。夏は風呂上がりに扇風機を浴びながらヘアドライをしたいと思っていたので、持ち運びへのハードルが下がるコードレスはとてもうれしい。また、この扇風機はポールを外し短くして使うこともできるので、1階から3階まで持ち運んで使いたい場合はショートにしておくのもいいかもしれない。洗面室だけでなく夏の揚げ物中のキッチン、また衣装用のクローゼットの湿気取りのためにもこのポータブル性はポイントが高いと感じた。またコードレスでも最大約20時間連続使用ができるので、充電切れの心配が少なくて済む。

一台二役で、“サーキュレーター”としても使える
5・サーキュレーターとしても使用でき、投資対効果が高い
5点目は風量を最大の4にすれば、サーキュレーターとしても活躍することだ。この利点は大きい。近頃は花粉や黄砂、ゲリラ豪雨などで外干しをためらう天気が増え、わが家もすっかり部屋干し派になった。
朝は忙しく、夜に干しておくことも増えたが、そうなると気になるのが洗濯物の生乾きの臭いだ。サーキュレーター購入を真剣に検討していたが、The GreenFanがあれば購入不要である。The GreenFanの価格は1台3万9600円(税込み)だが、サーキュレーターとしても使用できることを考えれば、その価値は十二分にある。
さらにThe GreenFanは風が広がり均一に当たるため、早く乾くと感じた。最大15メートル先まで風が届くため、サーキュレーター仕様として風量も申し分ない。

また、天井が高めで冷房効率に課題があったリビングも、サーキュレーターとして使用し、エアコンと併用することで室内温度のむらが抑えられた。エアコンを買い替えようかとすら思っていたところだが、扇風機で空気をかき回すことが効果的なことがよくわかった。そうなると扇風機を置いておく期間がどんどん延びていくのだが、ずっとそこにあっても嫌ではないデザインがいい。その点、デザイン家電の先駆者的アイテムであるThe GreenFanは、申し分なく洗練されている。
なるほど使用してみて、15年にわたって支持されている理由がよくわかった。
刺激とは無縁で包まれるようなストレスレスのふんわりとした風と、静寂性。扇風機は数千円で買える時代だが、夜はぐっすり眠り、昼は仕事にしっかり集中するためにも、環境への投資として見合う価値はあると感じた。ぜひ一度、この包まれるような風を体感してみてほしい。