タイ・バンコクで発見、日本の「旧国鉄車両」の今 担当者が語る「日本製中古車導入のメリット」

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この日は特別に工場内を案内してもらった。広い敷地のあちこちに、整備を終えた車両、あるいは整備を待つ車両が置かれている。

その中で最も目を引いたのは、やはりキハ183系だ。この日の前日に試運転を終えた国鉄色のキハ183系が、先頭車だけの2両編成となって引き込み線に置かれていた。

試運転は無事に終わり、これから最終調整が行われるという。「国鉄色」とは言ったものの、スラントノーズのキハ183系では見られなかった塗り分けのバリエーションで、どちらかといえば先頭車化改造で生まれたキハ183系100番代、あるいは485系電車に近い。

タイ国鉄 キハ183系
試運転を終えたキハ183系が引き込み線に止まっていた(撮影:伊原薫)
【写真】新車同様のピカピカな姿に生まれ変わった元JR北海道のキハ183系。クリーム色に赤帯の“国鉄色”が目を引くが、側面の塗り分けはタイ国鉄のオリジナル。客室の座席や運転台はほとんど日本時代のままだ

一瞬「ここは日本?」と錯覚

車内もすでにデビューしている2編成と同様、座席や壁などはほぼ日本時代のまま。運転台も必要最低限の改造が行われただけのようで、スイッチ類がいくつか増えた以外に違いを見つけることはできなかった。

一瞬、ここは日本なのでは?と錯覚しそうになるが、窓から見える景色は紛れもなくタイのそれだった。

この車両の少し奥には、まだ改造されていない5両のキハ183系がいた。譲渡された先頭車のうち唯一の100番代、キハ183-104の姿もある。これらの整備も順次行われるそうで、どんな出で立ちとなって現れるのか、期待が膨らむ。

タイ国鉄 元JR北海道 キハ183-104
譲渡車のうち唯一の貫通先頭車、キハ183-104(撮影:伊原薫)
【写真】マッカサン工場の奥で改造工事を待つ元JR北海道のキハ183系。「くの字」になったスラントノーズと、貫通型の先頭車が向かい合う。この先、どんな姿となって登場するのか楽しみだ
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