「子どもが生まれると、価値基準の判断がまったく変わる」。45歳男性が「経済的な理由で子を持たない人」へ伝えたいこと

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「将来、子どもが欲しくない」と回答した人たちにその理由を質問したところ、「お金の問題」(17.7%)、「お金以外の問題」(42.1%)、「両方」(40.2%)という結果に。お金以外の問題としては、「育てる自信がない」(52.3%)、「子どもが好きではない、子どもが苦手」(45.9%)、「自由がなくなる」(36.0%)といった理由が挙げられた。

(出所:BIGLOBE)

この調査のほかにも、経済的な理由から子を持つことに躊躇する若者が少なくないことを示す調査は多数ある。こうした中、三木さんは「こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、お金は正直、枝葉末節の話だと思います」と話す。

「子どもが産まれると、価値基準の判断が変わる」

コミュニティー・スクールの学費は高く、「僕たちも決して余裕があるわけではありません。でも、子どもが生まれると、(パソコンなどの)基本ソフト(OS)がまるっと入れ替わるように、価値基準の判断がまったく変わるんです」と力説する。

「子どもが欲しくない、1人や2人でいるほうが幸せ、という人はそのままでいいと思いますが、経済的な負担が大変だから産まないでおこう、とは考えないほうがいい。どうにかしよう、という思考が駆動するようになりますから」

確かに、経験していないことを想像で考えても、それは現実ではない。人生は想定外の出来事だらけだ。恋に落ちることも結婚することも、予定通り順調、となっている人はあまりいなさそうだし、思いがけず結婚したという人もいる。仕事でも、天災や事故でも、「思っていたのと違う」経験をすることは多々ある。

産むかどうか、子どもを欲しいかどうかは、さまざまな事情を一度取り払い、冷静に自分自身と、そしてパートナーと向き合い、考える必要がある事柄なのかもしれない。

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阿古 真理 作家・生活史研究家

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あこ まり / Mari Aco

1968年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。女性の生き方や家族、食、暮らしをテーマに、ルポを執筆。著書に『『平成・令和 食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)』『日本外食全史』(亜紀書房)『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた』(幻冬舎)など。

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