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「リベンジ退職」のリアル 忙しい時期を狙って退職・引き継ぎ拒否… 会社を揺るがす報復劇の実態 代表的なパターンと予防策から見えてくること

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  • 横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役会長
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(2)公正な評価と処遇

「機会は平等に、評価は公正に」が基本原則だ。

だから機会を平等に与え、成果を出したら公正に評価しなければならない。そして、その評価結果が処遇(給与や昇進)にどう反映されるのかも不透明ではマズい。私の知り合いで、

「私が若いころは、評価なんて気にも留めなかった」

という営業部長がいたが、そのような"自分視点"は捨てよう。

(3)離職の兆候を見逃さない

退職の意思表示は突然のように見えても、実は「辞めたい」というサインは事前に出ていることが多い。勤務態度の変化、発言の減少、残業の拒否、同僚との関係性の変化などに敏感になろう。

ずっとやる気に欠けていた部下が、いきなり張り切り出したら、それも1つの兆候だ。注意して洞察しよう。早期に対話の機会を設け、不満や悩みに耳を傾けてほしい。

退職者の送り出し方にも配慮を

退職が避けられない場合でも、遅くはない。キチンと対応をしよう。最悪なのは、

「どうせ会社を辞めるなら、もう関係がない」

という態度を上司が見せてしまうことだ。あるプラスチックメーカーの工場長が、大失態をおかした。10年勤めてきた現場のリーダーが突然辞めると言い出したので、つい感情的になって

「裏切るつもりか!」

「せっかく育てたのに!」

と詰め寄ってしまったのだ。あとで後悔したが、後の祭りだ。そのリーダーが辞めたあと、転職エージェントに「パワハラで辞めました」と言いふらされ、悪評が広まった。

退職の意思表示を受けたら、まずは冷静に理由を聞くべきだ。そして次の就職先で成功するためにはどうしたらいいか。もし相手が望むならアドバイスしてあげよう。

「もう縁が切れた相手なので興味がない」

という態度はよくない。

営業でトップの成績を残す人ほど、お客さまへの対応は丁寧だ。たとえ失注しても、相手には誠実に振る舞い、自分のために時間をとってくれたことに感謝するものだ。同様に、たとえ貢献度が少ないメンバーであったとしても、キチンと送別会をし、温かい目で送り出すことだ。

2024年の「人手不足倒産(342件)」の中で、「従業員退職型」の人手不足倒産は87件だそうだ。2023年の67件から約30%増えている。

そんな時代だから、退職だけでも大きな痛手なのに「リベンジ退職」をされてしまったら、企業が受けるダメージは計り知れない。組織リーダーの意識改革がより一層、求められるだろう。

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