超進学校に入っても成績は中の上〜上の下をキープしていた廣瀬さん。模試で成績優秀者として名前が載ることもあるほどの学力を誇っていましたが、普通の大学に進学することはあまり考えませんでした。
「漫画家になることも考えたのですが、母体となる原作ストーリーが思い浮かばなかったのでイラストレーターになりたいと思いはじめました。私が通っていた豊島岡は、中学段階で高校の範囲をほぼ消化してしまう進学校だったので、藝大に行くためには、ほかの子が目指す大学ほどの学力をつけるよりも、美術専門予備校に通って対策するほうが自分には合っていると思いました」
高校2年生で豊島岡を中退
高校1年生になった廣瀬さんは、将来を見据えて美術専門予備校に通うようになります。そして高校2年生になると受験勉強に専念したいということもあり、高等学校卒業程度認定試験を取得して高校を中退しました。
「学校を辞めてからは、朝9時か10時くらいに予備校に行って、16時くらいに帰宅し、家でも絵を描き続けるという生活を続けました。小さい予備校だったので、描いた作品を直接先生に講評してもらうスタイルだったのですが、『合格は厳しい』という否定的な見通しが多くて、おそらく現役では受からないだろうなとは内心、自分でも思っていました」
彼女が受験したのは毎年倍率が20倍程度で、”天才”が集う東京藝大の中でも最難関である美術学部絵画科油画専攻。受験1年目は、さすがに合格は難しいと思ったようで、とにかく量を描くことにこだわったそうです。
東京藝大の絵画科油画専攻(2025年度)の入試は、以下の通りです。
結局、現役時は制限時間内に追いつかず、廣瀬さんは1次試験終了後に不合格を確信します。
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