中古物件購入で後悔しない必見"見極め"ポイント 注意したい「見えない劣化」と「契約」のリスク
加えて、築25年ともなるとキッチン、浴室、トイレなどの設備も交換時期を迎えていることが多く、フルリノベーション、あるいはそれに近い形での改修もあると想定しておくべきだろう。
では、多額の修繕費用発生のリスクを回避するには、どのような点に注意すればいいだろうか。中古戸建てに潜む、見えない不具合や劣化について詳しく見ていこう。
中古住宅の隠れた劣化を見抜くには
新築にはない、多様なリスクが隠れている中古戸建て。特に「雨漏り」「建物の傾き」「シロアリ被害」の3つは必ずチェックしておきたいポイントだ。一見しただけでは問題に気づくのが難しく、購入後に気づくケースも少なくない。
雨漏りと聞くと、天井から水がポタポタと落ちてくる様子をイメージする方も多いかもしれない。しかし、天井からの水漏れだけが雨漏りではない。家具の裏側など壁の内部や窓周りでひっそりと進行していることもあり、売り主すら気づいていないこともある。
しかし放置すれば構造体の腐食につながり、大規模な修繕に高額な費用がかかることにもなりかねない。
<注意したい兆候>
□天井や壁のシミ、カビ、剥がれ
□窓枠の腐食
□外壁のひび割れ、コケ
□室内の湿気、カビ臭さなど
わずかな傾きは日常生活の中では意外と気づきにくい。そして見た目には問題がないように見えても、実は建物が傾いているというケースもある。
中古戸建ての傾きの基準は、1000分の6(3mで約2cm弱)と言われている。これは、専門家なら気付けても、一般の人が内見時に気づくのは難しいレベルだ。一方で、これが1000分の10(3mで3cm)程度まで傾くと、ほとんどの人が違和感を覚えるだろう。
しかし、ここまで傾いていると、扉が勝手に閉まる、窓が開けにくい、基礎に大きなひび割れがあるなど、他の症状も出ている可能性が高い。
原因は地盤沈下、施工不良、建物の構造的な問題など幅広く、建っている場所も関係してくる。例えば崖地や斜面地、擁壁(ようへき)がある場所などは地盤が弱く、沈下しやすい傾向にあることも覚えておきたい。地盤沈下が原因の場合、修繕には数百万円から、場合によっては1000万円を超える費用がかかるケースもある。
床下や壁内部など、目に見えない場所で被害が広がるため、発見が遅れることが多い。日本には多くのシロアリが存在するが、家に被害を与えるのはイエシロアリ、ヤマトシロアリだ。特にイエシロアリは被害範囲が広く、2階や屋根裏まで被害が及ぶこともある。
<注意したい兆候>
□柱や床下などに、蟻道(ぎどう)と呼ばれる土のトンネルがある
□床がギシギシと鳴る、フワフワする
□柱や壁を叩くと空洞音がするなど
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