ボルボやアバルトに学ぶ「輸入車」とは何か? EV化が進むメーカーの「うまい車づくり」

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筆者は1980年代からのアメリカ生活の中で、コルベットの生産拠点であるケンタッキー州ボーリング・グリーンを何度も訪れている。

また、ミシガン州デトロイトのGM本社や、北米各地の自動車関連イベントで、歴代コルベットのチーフエンジニアと意見交換をしてきた。知り合いにもコルベットオーナーは多く、さまざまなコルベットをアメリカ各地で乗った経験がある。

そうした中で現行モデルは、リアミッドシップ化というコルベット史上、最も大きな転換を行ったことで話題となった。

コルベットとして初めて右ハンドルを用意したことも現行モデルのトピックのひとつ(筆者撮影)
コルベットとして初めて右ハンドルを用意したことも現行モデルのトピックのひとつ(筆者撮影)

一時は従来のコルベットオーナーが離れていってしまうのではないか、と心配する声もあったが、蓋を開けてみれば、エンジン搭載位置が変わってもコルベットというブランド価値に揺るぎはない。

アバルトがEVとなったように、将来コルベットが電動化することになっても、アメ車のシンボル的な存在として不滅であろう。子どもたちの元気な声をBGMに走り出しながら、そう感じた。

ますます高まるブランドの重要性

大磯を舞台にしたJAIA試乗会は、日本における「輸入車とは何か?」を肌感覚で理解することができる貴重な場所だ。

近年では、今回紹介したような外国メーカー車だけではなく、日産「キックス」、三菱「トライトン」、そしてスズキ「フロンクス」など、タイやインドからの日本車輸入も増えており、今後も各メーカーが輸入モデルを拡大する可能性が高い。

インド生産ながら日本市場向けに4WDを用意するなど、力が入っている「フロンクス」(筆者撮影)
インド生産ながら日本市場向けに4WDを用意するなど、力が入っている「フロンクス」(筆者撮影)

  一方で、欧州連合が推進してきたグリーンディール政策におけるEV施策の見直しで、EV市場は「踊り場」にある。アメリカ・トランプ第2次政権における、IRA(インフレ抑制法)、ZEV法(ゼロエミッションビークル規制)、北アメリカ貿易協定(NASTA) それぞれの再考や、日本に対する非関税障壁撤廃の動きなど、輸入車への懸念は数多い。

グローバルにおける日本市場の立ち位置が変化する中、これまで以上に自動車ブランドの重要性が問われている。さまざまな市場が生んだ最新の輸入車に触れて、改めてそう思う。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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