現代の呪い「タイパ最優先」から降りる数学的方法 仕事で「遅さを求める」ことがベスト、納得の訳
そこで今回は、タイパが求められる時代に、時間に追われずに仕事をするために大切なことをご紹介します。ポイントは、「数学的思考」です。
「時間に追われる働き方」から降りる方法
そもそも、仕事に時間をかけることは悪なのでしょうか。「XとYの関係は?」という数学的な視点から、時間と(仕事の)質について考えてみます。すると、次のような一般論を認識できます。
この一般論は、私自身の経験と照らし合わせてみても納得がいきます。しっかり準備して臨んだ講演会は成功しますが、サボったときは期待する反応が得られなかったりします。執筆前にじっくり構想を練ってから執筆をスタートすると良い原稿が書けますが、準備に時間を取らずに執筆を始めてしまった場合、内容がわかりやすく迷走してしまいます。
質を上げたければ、たっぷり時間をかける。あなたもおそらく異論はないでしょう。しかし、「タイパ」とは、時間をできるだけかけないという方向を推奨しています。
つまり、現代のビジネスパーソンは「質を下げるような仕事をしなさい」と推奨されているのです。本当にそれでいいのでしょうか。現代のビジネスパーソンは、極めて難しい問題に直面しているといえます。
哲学者であり数学者でもあったルネ・デカルトは、「難しい問題は、小さく分けて考えなさい」という言葉を残したとされています。デカルトの教えに従い、次のように仕事を分けて考えます。
重要度が低く、時間をかけても質が変わらない仕事は①に、重要度が高く、時間をかければ質が上がる仕事を②に分類します。
そして、①と②を並行させて仕事を進めます。つまり、速くすべきものは徹底的に速く、そうでない仕事は徹底的に遅く(ゆっくり時間をかけて)取り組むのです。
さらに、できるだけ①の仕事は行わないようにしています。そもそも、①は重要度が低い仕事なのですから、一刻も早く手放す発想を持っていることが健全です。結果、仕事のほとんどは②になります。この一連の仕事術こそが、時間に追われずに仕事をするにあたり大切なのです。
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