タウンエースのキャンパーをハイルーフ化した訳 レクビィ新作キャンピングカー2モデルに迫る

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ちなみに、これらモデルのベースとなるタウンエースは、生産を担当するダイハツ工業の認証不正問題で、2024年初頭に一時生産が停止。同年夏頃には再開されたが、現在は再び受注がストップされている状態だ。レクビィによれば、ダイハツ工業から「2025年6月頃に納車を再開する」とのアナウンスもあったようだが、いずれにしろ、現在はベース車がない状態。つまり、新型キャンピングカーの受注を受けても「作れない」といったジレンマを抱えているのだ。

レクビィが販売しているハイエースをベースにしたキャンピングカー「MRカランタ」
レクビィが販売しているハイエースをベースにしたキャンピングカー「MRカランタ」(筆者撮影)

そうしたベース車の問題は、タウンエースだけでなく、商用バン「ハイエース」も同様だ。こちらは、トヨタ傘下である豊田自動織機の認証不正問題などが影響しているようで、やはり最近まで生産が停止。一応、2025年2月1日より生産再開のアナウンスがあったというが、全国のトヨタディーラーへ割り当てられる台数が例年にないほど極度に少ないという。そのため、ハイエースをベースとするキャンピングカーも、受注数に対し製造が追い付かない状態が続いているようだ。

ほしくても買えない、キャンピングカーの今

MRカランタの室内
MRカランタの室内(筆者撮影)

トヨタ車は、ハイエースやタウンエースなど、キャンピングカーのベース車としても人気が高いモデルが多い。しかも、キャンピングカー自体も、製作に1年近くかかる仕様も多いため、ユーザーが今注文を入れても、かなりの期間待たされることになる。それでも、全てのユーザーが辛抱強く待ってくれればいいだろうが、世の中そんな人ばかりじゃない。そう考えると、キャンピングカーメーカーにとっては、まさに、ビジネスチャンスの喪失だといえる。

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日本RV協会によれば、2023年のキャンピングカー販売売上総額は新車・中古車を合計して過去最高の1054.5億円(対前年比138%)を記録したという。依然として好調が続くキャンピングカー業界だが、ベース車などの課題が、ユーザーの忍耐力に限界がくるなどで、業界の躍進に歯止めをかける懸念もある。

そう考えると、ベース車の生産や納車の遅れが、より多くの人たちの迷惑となっていることはたしかだ。キャンピングカー業界はもちろん、多くのユーザーや愛好家のためにも、両メーカーにはできるだけ早急な対策を望みたい。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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