一方、中国国内では、OpenAIなどアメリカ勢をコスト面で打ち負かすという華々しい戦果を上げたDeepSeekは国民的ヒーローのような扱いを受けている。
その創業者である梁氏は20日、中国の李強首相が主催した企業経営者らとの懇親会に招待された。1985年生まれの梁氏はまだ30代だが、AI関連の若手起業家として招待されたのは同氏1人だけだ。
アメリカ一強体制が崩れ世界のAI開発は混戦に
それまでChatGPTなど生成AIの技術力ではOpenAIなどアメリカ勢が諸外国よりも圧倒的に優位と見られていたが、DeepSeekの登場によって少なくとも中国とアメリカの差は一気に縮まった。
しかもそれをやり遂げたのが、アメリカなど西欧圏への留学経験を持たないとされる純粋な国産のAI研究者(梁氏の中核チーム)であったことが、李強首相をはじめ中国の政治家をいたく喜ばせたようだ。
ただ今後、アメリカや日本、ヨーロッパをはじめ世界市場でDeepSeekがOpenAIなどアメリカ勢のシェアを大幅に侵食するところまで成長するかどうかは、もう少し様子を見ないとわからない。
確かにアメリカでは目下、DeepSeekがアプリのダウンロード数でトップになっているものの、その直前にCNBCテレビの報道番組で取り上げられるなど一時的な要因が大きく作用しているからだ。
とはいえ、DeepSeekの研究者らがOpenAIなどアメリカ勢に匹敵する技術力を蓄えていることは厳然たる事実だ。今後、彼らのやり方を踏襲して日本をはじめ諸外国のAIスタートアップも力を伸ばしてくるかもしれない。生成AIの分野におけるアメリカ一強体制が崩れ、混戦模様になってくる可能性が出てきた。
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