「子供がますます勉強しなくなる」親の接し方4NG 「勉強しなさい」「しなくていいよ」は両方NGです
それさえ聞き出すことができれば、宿題をやったり、受験勉強をやらせることは容易です。なぜなら「その目標を達成するためにはこの勉強が必要だよね」と説明ができるからです。
子ども自身、心のどこかに「将来はこうなりたい」「こういう自分になりたい」という思いを持っているはずです。
それを引き出し、「この目的のために今やらなければならないのは何か」を示してあげること、これが大人の役割です。
私が受け持つ生徒の中にも「起業したい」「プロのダンサーになりたい」「人を笑わせたい」「世界を旅行したい」などいろいろな夢を持つ子どもがいます。
ただその夢をかなえるためには時間がかかります。それまでに何をやっておけばいいのか。
「大きな夢を達成するためには小さな目標をこなしながら、基本的な力を身に付けることが大切だよ」と言うと、子どもは「今できることをやろう」とがんばりはじめます。
これはとても大事なことですが、親が口を出すのではなく、子どもが決めたこと、選んだ道を尊重してあげてください。自分自身で考え、目標を決めるプロセスこそが子どもに力をつけるからです。
学校の人気や偏差値も、親の時代とは大きく様相が異なっていますし、職業も親の時代に人気だったものが、今後もずっと安泰とは限りません。
親の「古い常識」で決めつけたり、判断したりするのは子どものためになりません。
選択肢を与えたうえで、子どもが「自分で決める」
進学先もそうです。できるだけ多くの学校見学に連れて行き、選択肢を与えたうえで、子どもに選ばせてください。
「この学校に入る」と自分で決めた目標のために乗り越えなければならないハードルが受験であれば、子どもは自ら努力をすることができるはずです。
私の教え子にハンドボールの活動と勉強を両立して非常にいい成績を取っている子どもがいました。
ところが、その子が進学先として選んだのは、偏差値が自分より10ほど低い高校でした。ハンドボールが強い高校ということで選んだのです。
彼女の夢が体育教師だったこともあり、「せっかく成績がいいのだから、進学校に入って教員免状のとれる大学への進学を目指したら?」とアドバイスしたところ、「先生が勉強したら選択肢が広がるというので勉強して選択肢を増やし、その結果としてこの高校を選んだんです」と言われました。確かに彼女の言うとおりだと思いました。
彼女はその高校でハンドボールと勉強に打ち込み、生き生きとした毎日を送っています。保護者も「本人が決めたことだから」と全力で応援してくれています。
「勉強しなさい」と同じようにNGな言葉掛けに「やりたくなければやらなくていいよ」というものがあります。
子どもは基本的に嫌なこと、つらいことからは逃げたがります。
必要だとわかっていても逃げてしまったり、ほかにもっとラクで楽しそうなことがあれば、そちらに吸い寄せられてしまったりするものです。
だからこそ、「自分で決めること」が大事なのです。自分で「この目標のためにがんばる」と決めたら、その約束を守らせるようにします。
社会に出たときに一時的な感情で嫌なことから逃げてしまい、自分のやりたいこと、欲しいものを手に入れられない人間になってしまわないためにも、これは重要なことです。
自分で決めたことをやれば、何かが得られるというプロセスを体験させることが重要だと思っています。
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