「中居正広とフジ」叩く人の"正義"に欠けた視点 厳罰を求める一方で、大事なことが忘れられている

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ただ、これも「その可能性はあるかもしれないし、ないかもしれない」という段階の話。「もしあったとしても、被害者はそっとしておいてほしいかもしれない」という被害者保護の論点を忘れてはいけないでしょう。

また、中居さんの相手女性も、自分の問題が他人に飛び火することを望んでいるかどうかはわかりません。被害者の感情を置き去りにした第三者の暴走は自尊心を満たすための偏った正義感に見えますし、「自分は本当に被害者のことを考えてコメントしているのか」自問自答してほしいところです。

それ以上に目に余るのは、中居さんに対するいきすぎたコメントの数々。報道が真実であればある程度、厳しい言葉を受けても仕方がないでしょうし、自らの言葉で発信しないため、臆測を呼んでしまうところもあるのでしょう。

しかし、それらを踏まえても、ある人気アイドルの引退や別女性の体調不良の原因とみなしたり、薬物の使用疑惑をあげたりなど、名誉毀損レベルの書き込みが目立ちます。真偽の問題とは別に、このような書き込みも相手女性が望んでいるのかはわかりませんし、被害者保護の論点を持ち合わせていないことが伝わってきます。

もし相手女性が「私のことがきっかけでこんな話にまで及んでしまった」「もうこんなひどい言葉が飛び交う世の中では生きていけない」などと思い詰めて取り返しのつかない事態になってしまったら……。あくまで優先されるべきは、中居さんへの懲罰感情ではなく、被害者保護であり、彼を断罪するために被害者を苦しめるようなことはあってはならないのです。

事実は明らかになっていない

2つ目の論点は、週刊誌報道や「疑惑」との向き合い方。

現時点で主に事実とされているのは、中居さんの代理人弁護士が話した「女性とのトラブルを話し合いによって解決した」「互いに守秘義務があり、対外的にお答えすることはない」の2点。

また、中居さん自身のコメントでも「トラブルがあったことは事実」「示談が成立し、解決している」「暴力は一切ない」ことが語られました。しかし、相手女性の素性、トラブルの詳細、示談の内容などは明かされておらず、週刊誌報道による疑惑という段階です。

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