不動産を「持ち続ける?売る?」悩み解決の糸口は 心残りのない不動産売却を可能にするには
投資用不動産を購入したら、投資資金を回収するまで持ち続けるものと考える人は多いだろう。しかし、RENOSYが実際に投資用不動産を購入したオーナーに対し、売却状況に関する意識調査を行ったところ、「売るつもりはない」と回答したオーナーは3割にすぎなかった。つまり7割のオーナーは売却を意識しているのだ。
この結果を、Creative Center マーケティングの早田沙織氏はこう分析する。
「かつて不動産取引は人を介したアナログな方法が主流でしたが、5~6年前から、ネットなどで情報収集してそのままオンラインで購入に至るオーナー様が増えてきました。そうした経験を持つオーナー様は、購入後も自らネットなどで情報を取りに行きます。その中で売却という選択肢も身近になってきたのではないでしょうか」
売却の道があるとわかっても、売った場合の収支がわからないと、持ち続けた場合との比較検討ができない。従来はその比較検討が厄介で、とくに普段は本業を持ちながら不動産投資をしている不動産オーナーから売却検討を遠ざける要因になっていた。実はこのハードルも、オンラインで乗り越えられる環境が整ってきた。
その1つが、AIでの不動産価格査定サービスだ。RENOSYのオーナー向けマイページには「投資不動産AI査定」機能がある。そこにマンション名や間取りなどの所有物件情報を登録すれば、売却の目安になる価格が一目でわかる。
Product Management本部 プロダクトマネージャーの野浪義也氏は特徴をこう解説する。
「多くのIT企業や不動産会社が提供するAI査定は、居住用も含めて同じエリアで売買された取引事例を学習して査定する取引事例比較法が一般的です。一方、RENOSYは投資用不動産に特化してAIが算定する、推定家賃や利回りを基にした収益還元法を用いて推定価格を表示します。AIが最新のデータを取り込んで学習していくため、査定額は都度更新されます。取引事例比較法と収益還元法では査定額が数十万~数百万円異なることもあります」
売却後の手残り金額をシミュレーション
売却価格の目安が見えるだけでは、売却が得策かどうか判断に迷うこともある。
投資用不動産は一般的にはローンを組んで購入するが、売却価格によっては損失が発生する可能性があるからだ。売却やローン返済にはさまざまな諸経費や税金がかかるため、その計算をするのも一苦労。
そこでRENOSYは「手残りシミュレーション」機能を提供。希望売却価格から売却後の手残り金額を算出したり、逆に欲しい手残り金から、いくらで売却すればいいのかを算出したりすることもできる。
オーナーが参考にしたい情報はほかにもある。
「登録した投資用不動産ごとに、同じマンションや周辺地域にあるマンションの売り出し金額を把握できる『売り出し事例』機能も実装しています。投資不動産AI査定や手残りシミュレーション、売り出し事例などの情報を提供することで、オーナー様は所有物件の市場価値をより多角的に把握できます」(野浪氏)
オンラインで、不動産の売り出しまで完結
各種情報を参考にして気持ちが売却に傾いたとしても、実際に売却に至るまでにはまだハードルがある。不動産営業担当者との打ち合わせや複数回の書類のやり取りなどだ。忙しいオーナーにとって、リアルで何度もやり取りが発生するのは煩わしいものだ。
そうしたニーズを受けてRENOSYが開発したのが、2024年6月に本格スタートした「かんたんネット売却」だ。この機能を使えば、不動産の媒介契約をオンラインで完結できる。不動産を売却するときはまず不動産会社と媒介契約(仲介契約)を結ぶが、それがオンラインでOK。自分で決めた売り出し価格で買い手が見つかれば、売買契約に進むことができる。使い方について、野浪氏は次のように紹介する。
「まずはチャレンジ価格で売り出すオーナー様が多いですね。それを見て購入を決める買い主様がいれば、その価格で売買が決まります。また、関心はあるけど少し高いと感じている買い主様は、まずは物件をお気に入りに登録します。お気に入りがほとんどつかない場合は、相場より高い可能性を早期に察知でき、売り出し価格を下げるなどの調整が可能になります」(野浪氏)
アプリには、RENOSYで物件購入をした人はもちろん、RENOSY以外で物件を購入した人も登録ができる。RENOSYはマンション投資の売り上げNo.1※で登録オーナーも多い。買い主候補が多ければ「競争の原理が働いて価格は上がりやすい」傾向にあるという。
※東京商工リサーチ「マンション投資の売上実績調査」(2024年3月調べ)
大切な不動産の行く末は自分で主導権を持って決めたい
すべてオンラインで完結できるのは便利だが、RENOSYが強調するのは手軽さだけではない。早田氏は一連のサービスに込めた思いを次のように明かす。
「売却経験のあるオーナー様にアンケートを取ったところ、約8割の方が『心残りがある』と回答しました。興味深いのは、しっかり手残りを確保できたオーナー様も心残りを感じる傾向があること。高く売れても、『本当はもっと高く売れたのでは』と後悔するのです。なぜ心残りが発生するのか。それはご自身で決めた実感がないままに売り出しているからでしょう。私たちが重視しているのは、オーナー様が自分で売り出し価格やタイミングを決められる世界。それを実現するためにオンラインで完結できるプロダクトを開発しました」
中には自分で主体的に決めたいが、知識や経験が足りなくて不安というオーナーもいるだろう。そういったオーナー向けに、売却のポイントを解説した学習コンテンツやチャット相談窓口を用意している。さらに希望すれば、不動産コンサルタントに直接相談することも可能だ。オンラインから対面まで、オーナーが自分に合ったやり方で進められることがRENOSYの強みだ。最後に野浪氏はこう語ってくれた。
「単に売り主様と買い主様のマッチングだけなら、ほかのテック企業でもサービスをつくることができるかもしれません。ただ、不動産取引は複雑です。RENOSYはリアルな場の取引においても実績や経験があるため、そこで得た知見をプロダクト開発に生かすことができます。実際、プロダクト開発チームのすぐ横にはアセットプランナー※チームがいて、つねに情報共有しています。大切なのは顧客視点。オーナー様に寄り添ってきたアセットプランナーチームと一緒にサービスをつくることで、納得できる不動産投資の実現をサポートしたいですね」
※資産形成を成功に導くため、共に考え、伴走するパートナーのこと
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