国民玉木氏が「不倫問題」で3カ月役職停止の裏側 賛否交錯、来夏「政治決戦」で国民民主の浮沈に直結

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その広瀬氏の不倫疑惑が発覚したのは今年2月末。『週刊新潮』電子版が国会開会中における広瀬氏の不倫行為を報道し、広瀬氏はまず3月5日に自民党県連副会長を辞任した。しかし、「新潮砲」はこれで終わらず、3月19日には「広瀬氏の元公設第二秘書に勤務実態がなかった疑いがある」と追撃。これを踏まえて7月に東京地検特捜部が強制捜査の末に「詐欺罪」で立件し、広瀬氏は自民党を離党した上で、議員辞職した。

また、自民裏金事件を巡る「内部告発」で話題となった宮澤博行元衆院議員は、今年4月にいわゆる「パパ活」疑惑として女性問題が報じられた際、自ら疑惑を認めて自民党を離党した上で議員辞職した。その一方で、疑惑を認めながらも政府や党の役職を辞任しただけで済ませた議員もあり、永田町では「当該議員の対応は、メディアが大きく取り上げるかどうかで決まる」(政治ジャーナリスト)との見方が支配的だ。

「人の噂も75日」の代表復帰が大きなダメージに?

そこで玉木氏のケースをみると①メディアが大きく取り上げた②本人も事実関係を認め、謝罪した③党代表という重要な職務には「3カ月の停職をへて復帰」ーーという経過をたどっているのが特徴だ。ただ、政界関係者の間では「まさに『人の噂も75日』を地で行くもので、いずれ話題にならなくなるはずという狡猾な判断」(同)との厳しい指摘も少なくない。加えて、不倫相手とされる元グラビアアイドルのタレントは、玉木氏の地元香川県で「高松市観光大使」として活躍していた女性で、同市も今後の処遇に苦慮しているとされる。

そうした事情から、「玉木氏の不倫問題は、今回の処分だけでは収束せず、『103万円の壁』引き上げが円満決着したとしても、年明け以降も政治家としての出処進退が問われ続けることは間違いない」(自民長老)との見方が支配的。

その結果「玉木氏の言動や国民民主の対応の適否も含め、次期国政選挙での同党の命運を左右する可能性」(選挙アナリスト)も大きく、政界関係者も「“玉木党”と呼ばれる国民民主にとって、党のシンボルの不倫事件の代償の大きさは計りしれない」(政治ジャーナリスト)というのが実態とみられている。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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