子の才能の発見者である親がやってはダメなこと 親は子どもが生まれて初めて出会う人間である

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だが、どんな子であっても、そのなかに隠された可能性を見つけてあげることが、観察者としての親の役目だ。生まれもった感性や性格をありのまま認めて、肯定的な花を咲かせることだ。

子どものペースを理解して手助けする

親は観察者として、子どもだけの発達速度を理解し、認めてあげなければいけない。子どもごとの違いを理解し、1人ひとりを新たな目で見るということだ。子どもを2人以上育てたことのある母親なら、子どもによってペースが違うということがわかるだろう。教育においては、子どものペースをそのまま受け入れてあげる姿勢が必要だ。

うちの子どもたちも、幼い頃に読み聞かせをしてあげると3人とも違う反応を見せた。長女のヘミンは耳をすませ、全体的なストーリーを素早く理解したし、多様な本を多く読んでほしがった。自分で本を読める年齢になっても、それは同じだった。三女のヘソンも長女と同じく理解が早かったが、好きなジャンルが違った。

『3人の娘をハーバードに合格させた 子どもが自ら学びだす育て方』書影
『3人の娘をハーバードに合格させた 子どもが自ら学びだす育て方』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

この2人と大きく違う姿を見せたのは次女のヘウンだった。ヘウンはゆっくり読むのが好きで、ストーリーに沿って読むというより、細かな部分に気を配っていた。そして、同じ本を繰り返し何度も読むことを好んだ。読むスピードは遅かったが、そうするうちに自然と内容全体を完璧に理解し、記憶した。

2つのうちどちらの方式がいいかを決めることはできない。ただ、速度と理解の順序が違っているだけだ。速く読んで全体の概念を習得することと、ゆっくりでも内容を漏らさず完全に理解すること、どちらにも長所と短所がある。

観察者である親は、子どものペースがゆっくりでも速くても、それを理解し、その子が自身のペースで生きられれば十分だと考えるべきだ。子どものペースを理解して手助けしてあげれば、その子は必ず成長する。

シム・ファルギョン 主婦

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Shimu Farugyon

韓国でキリスト教教育で修士学位を取得した後、同じ大学で神学を学んでいた夫と結婚。夫の留学を機にアメリカに移住。アジア人移民は社会的にはマイノリティーであり、さらに牧師の家庭だったため経済的にも苦しかったが、入試コンサルティングはもちろん、塾にも行かせず、一般の公立学校に通った3人の娘全員をハーバード大学に入学させた。三姉妹がハーバードに合格したあとも「私はごく平凡な人間で、特別なところは一つもない。すべて子どもたちが成し遂げたことだ」と述べ、多くを語らなかったが、初めてそのストーリーを惜しみなく公開。決して楽ではない環境で、目標を達成するために三姉妹と母親が共に実践したモチベーションの付与、自己管理、勉強法を明かした。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事