みずほ「楽天カードに出資」に透ける将来への布石 サービス協業や業務連携だけにとどまらない
近年、カード取扱高はキャッシュレス決済の浸透で急拡大しているが、カード会社の収益環境は厳しさを増している。カード発行会社はポイント付与などで多大なコストを計上する一方、収益源であるインターチェンジフィー(加盟店の開拓・管理を行っているアクワイアラーから受け取る手数料)は加盟店料率の引き下げなどを背景に低下圧力が強まっている。
アクワイアラーも、訪日観光客の増加で利用が急増している海外発行カードに頭を悩ませる。取引の都度クロスボーダー関連費用がかかり、逆ザヤに陥っているからだ。
見据えるのはカード事業統合?
みずほFGと楽天カードが資本業務提携に乗り出した背景には、収益環境の悪化もあると考えられる。さらに、より合理的な経営体を目指して、両者のカード事業を統合する検討も始まる見通しだ。
取扱高で国内トップながらアクワイアリングや法人取引が弱い楽天カードと、会員募集などカード発行事業は弱いがアクワイアリングに強みを持つUCカードとは、補完関係にある。
みずほFGの木原社長は出資比率を14.99%にとどめたことについて、「私は慎重なので。まずは持ち分法適用前から入ろうかなと思った」と会見で述べた。
ただ関係者の間では、「将来的な事業統合への布石」との見方が浮上している。オリコの一部事業を含めたカード事業の統合時にみずほFGが出資比率を引き上げ、持ち分法適用会社化する公算が大きい。
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