最適視界で生活パフォーマンスの解像度を上げる 人により異なる「見えやすさ」を知る方法とは

自分に合った「最適な視界」を獲得することが重要
「パリミキは10月1日の『メガネの日』、10月10日の『目の愛護デー』を迎えるに当たり、日本の人口のボリュームゾーンである40〜50代の男女1000人を対象に『視力とライフスタイルに関する意識調査』を実施しました。その調査によると、40〜50代の78.6%が “目の見え方の不具合”を感じています。しかし、そのうち69.8%がその不具合に対して何の対処もしていないことがわかりました。実際に、『見えにくい』と感じても、痛い、充血する、目やにが出るなどの急性の症状が出ない限り、対策を行わないケースは多いのです。とくに、若い頃によく見えていた方ほど目に自信があり、眼科を受診するなど積極的な行動になかなか移さない方が多いと感じています」と指摘するのは眼科医の有田玲子氏だ。
さらに、有田氏は「見えやすさ」は人によって異なるものであり、「最適な視界」を獲得することが重要だと解説する。
「仕事や日常生活でパソコンやスマートフォンを長時間使う方と車の運転をよくされる方では見る距離が違うように、いちばん必要とする視力の距離は人によって異なります。最も必要な距離がいちばんよく見えるようにピントを楽に合わせることで『最適な視界』が得られ、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)も向上します。 自分に合った『最適な視界』を把握することが、見えにくさによるストレスや負荷を軽減し、より快適で充実した日常生活につながると思います」
だが、ライフスタイルに合わせて最適な視界を獲得するためのメガネはどのように作ればいいのか。その答えを出してくれるのが、パリミキが始めた新たな視力測定プログラム「Personal Direction」なのだ。
多様化する「物を見る」シチュエーション
単なる視力測定と「Personal Direction」の大きな違いは、カウンセリングからスタートすることにある。カウンセリングでは日常生活において裸眼、メガネ、コンタクトをどのくらいの割合で使用しているか、また、運転や読書、仕事などシチュエーションごとの見え方やそのシチュエーションが生活においてどのくらいの割合を占めるのかを確認していく。

物を見るシチュエーションは「遠くを見るとき」「中間を見るとき」「近くを見るとき」の3つに分けられている。

デスクトップパソコンとノートパソコンでは見る距離が異なるなど、カウンセリングでは日常生活ではあまり気がつかない「物を見る距離」を細分化していく。眼鏡作製技能士の野田城太朗氏はシチュエーションの多様化と見え方について、このように解説する。
「スマートフォンとパソコンが日常生活で使われるようになり、現代人の生活における『見るシチュエーション』は多様化が進んでいます。人は見たいものに無意識にピントを合わせようとしますが、ピントを合わせるたびに目には負荷がかかり疲弊や疲労につながります。ピントが合わないと見えない、見にくいことが心理的なストレスにもつながります。ストレス源が身近にあり続ける状態は、効率の悪化やイライラ、疲労がつねにある状態になりやすいのです。その結果、QOLの悪化は避けられないのです」
スマートフォンの普及で40代以上でも視力に変化が
カウンセリングが終わると視力測定となる。機械を用いて大まかな視力の度数を確認するなど、一般的な視力測定の流れと同じ部分もあるが、「Personal Direction」では「遠く」「中間」「近く」のそれぞれの状況に応じて適切なレンズを探る測定も行うことが大きな特徴だ。
「一般的に40歳前後を境に『近視の進行は止まる』といわれていましたが、昨今はスマートフォンの普及もあってか、40代以上でも近視が強くなり、遠くが見えづらいとおっしゃる方が見受けられるようになりました。加えて、ピントを合わせる力、すなわち調節力は年齢とともに落ちていくので、この年代からは近くのものも見えづらくなる『老眼』が増えていきます。すると、遠くも見えにくく、近くもある一定の距離でないと見えづらくなってしまう。こうした状況が続くと目に疲労がたまりやすくなるのです。『Personal Direction』では視力をはじめとした目のパフォーマンスを把握し、求められる距離に合わせた提案をしていきます」
パリミキは「Personal Direction」によって、日常生活でより快適に物を見ることができるよう、ライフスタイルに合わせたメガネ作りを提案しているともいえるだろう。「ただ視力が悪いからと、深く考えずに作ってしまったメガネやコンタクトレンズは本当に自分のライフスタイルに合っているのか否か、見え方の現在地が『Personal Direction』によってわかるのです」と野田氏は強調する。
実際、「Personal Direction」で測定をした結果、現在かけているメガネがライフスタイルと合っていないことがわかり、驚かれることも珍しくはないという。
例えば、室内でパソコンを使って仕事をし、スマートフォンを見ることが多いという方がかけていたメガネが、一般的な遠近両用レンズで「遠くをよく見る」ということに主眼が置かれ、「近く」に関してはほどほどの調整がされているものだったということもあった。そこで、「Personal Direction」の結果を基に室内用のレンズを提案。見やすさの改善につながったこともあったそうだ。
「視力測定では、測定担当者が対象物を動かして、どの距離で見たいのか、希望の距離を測っていきます。多様化・高度化するニーズに伴い、適切なメガネを作って使用することが求められているのです」(野田氏)

コンタクトレンズをメインで使う人にも受けてほしい
「メガネはゴルフのクラブのようなもので、距離によって使い分けるものと考えてください。遠くまで飛ばせる力が重宝される場合もあれば、飛びすぎるとかえって不便なこともあります。メガネもライフスタイルに合わせ、シチュエーションごとに『見えやすさ』を導くことができるレンズを選ぶべきなのです。しかし、測定にいらっしゃるお客様にメガネを作る理由を伺うと、『使っているメガネが壊れたから』や『免許更新のため』という理由が多かったりします。多くの方にとって、『見えやすさ』は二の次になっている事情もあります。何の気なしにメガネを作っている方にこそ、『Personal Direction』を受けていただきたいですね」(野田氏)

コンタクトレンズをメインで使い、メガネは部屋用、セカンド的な存在という方も多いだろう。何年も前に作ったままで、レンズの度が合っていないまま使い続け、コンタクトを外してメガネにするたびにストレスを感じてしまう方も多いのではなかろうか。
「お客様からは『自分の目のことが初めてわかった』や『今まで漠然と持っていた不便さの原因がわかった』など、ご自身の目の状態を把握できたことを喜ぶ声を多く耳にします。今使っているメガネや裸眼での『見えやすさ』を『見える化』して、適切な値からどの程度ズレがあるかを知ること。それにより、今まで感じていた不具合が改善されていく体験を『Personal Direction』では実感いただけると思います」(野田氏)

忙しいビジネスパーソンにとって、測定の時間もままならないということもあるだろう。だが、「Personal Direction」の所要時間は約30分。さらに、測定データはパリミキの全店舗で共有される。会社帰りに「Personal Direction」を受け、休日に自宅近くでメガネを作るということも可能だ。「Personal Direction」を通じて、怠りがちな目のケアをしてみるのもいいのではないだろうか。