兵庫県丹波市が企業立地としても
働く場としても好条件な理由とは
【特別企画】ランサーズ秋好社長が語る地方ビジネスの今

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地方に立地すること、地方で働くことが、
日本を元気にする。

秋好 陽介
1981年大阪府生まれ。2001年頃から学生ベンチャーとして活動。05年に株式会社ニフティに新卒入社し、サービス企画・開発を担当。08年に株式会社リートを創業し、12年に社名をサービス名であるランサーズ株式会社に商号変更。13年に渋谷に移転

ITエンジニアやデザイナーなど、フリーランサーとして働いている人と、仕事を依頼したい企業をマッチングさせるクラウドソーシングサービスを提供しているランサーズ。仕事の依頼総額は累計で600億円弱と日本最大規模を誇っている。

「僕自身、学生時代にフリーランスとして、大阪にいながら東京のクライアントとネットを活用して仕事をしていたことがあります。その時、中心地と距離があってもここまで仕事ができるのかと感動し、新しい働き方を創出したくて会社を立ち上げました。お金のやり取りとか信用、実績などが不安で企業は個人に仕事を発注しにくい。でもそうした課題はネットなどで解決できます」

秋好氏はランサーズの名刺のほかに「熱意ある地方創生ベンチャー連合」の名刺を持ち代表理事を行っている。その他、奄美市と提携し、奄美大島にフリーランサーを集めたり、ほかのベンチャーとも手を組んで地方創生に取り組んだりもしている。

「いま日本では地方から都市圏へ人口が流出し、一極集中が進んでいます。このままでは地方が疲弊し、日本経済全体が衰弱してしまいます。ところがランサーズのビジネスモデルでは、地方在住の人に都市部の企業が仕事を依頼し、都市から地方にお金が流れています。一極集中とは真逆の現象が起きているわけです。地方には働き手となる人が確かに存在し、結果的に地方創生を進めているのです。もともと僕も田舎育ちだったから、育ったところに成果を還元したい。そういう思いから地方創生に取り組んでいます。地域の活性化なくして日本の活性化はあり得ません」

ランサーズ自身、以前は神奈川県鎌倉市にオフィスがあった。地域に立地する企業が成功するには何が必要で、地域が企業を誘致するためには何が必要なのか。

「テレワークでできる仕事はもちろん、地域の強みと企業の目的が合致する仕事なら地方立地は大きな力になると思います。地方には優秀な人がたくさんいますから、人材確保の面でも充実しています。逆に地域が企業を誘致するなら、地域アクセラレーターのような組織や人がいるといい。本気で地域を盛り上げようとしてくれる人ですね。丹波市さんの場合ですと、人をひきつけるブランドもありますし、大学と連携協定を進めていることが非常に魅力的だと思います。今後もいろいろな取り組みに期待したいですね。地方に立地したいという企業の人材ニーズと、地方で新しい働き方をしたいという人のニーズをマッチングさせることについては、ランサーズがお手伝いできる部分もあるのではないかと思います」