Amazonが独自に切り開く保険の新時代 大切な"家族"であるペットにも保険の"安心"を

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左から、黛氏・古米氏・石山氏
左から、黛氏・古米氏・石山氏
今や多くのペットオーナーがペットを家族と考え、ペットの健康志向も高まっている。それに伴いペットフードをはじめとする周辺市場は拡大傾向にある。一方で、調査によればペットの疾病に備えるペット向け保険への加入率は2割以下だという。そうした状況を受け、Amazonがペット保険を扱うことになった。そこには、ペットと人のより幸せな社会づくりに対する確固たるビジョンとAmazonならではの勝算があった。

ここ数年、日本国内で新たにペットとして飼われる犬・猫は、それぞれ40万頭以上といわれている(※1)。また、総務省の家計調査(※2)によれば、ペット・用品及びサービスへの支出推移を見ると、ペットにかけるお金は増加傾向だ。さらに具体的な支出傾向を見ていくとペットフードと動物病院代が大きいようだ。だが、ペットの疾病などに備えるペット向け保険への加入率は18%と、低い水準にとどまっている(※3)

総務省の家計調査グラフ

動物医療には公的な保険制度がない。保険に未加入の場合、治療費は全額ペットオーナーの自己負担だ。上記の調査からもわかるように、動物医療を受けるに当たってはペットオーナーが抱える経済的負担は決して小さくない。

現状について、アマゾンジャパン ペット用品事業部 事業本部長の古米潤氏はこのように指摘する。

「保険未加入だと経済的な負担も相まって、疾病治療が遅れることが多いと考えています。飼い始めた時よりもペットが高齢になってから、経済的な課題に直面してしまうこともあるでしょう。

そして、ペット保険は人の医療保険と同様に年齢制限や病歴による審査があり、年を取ってからの加入はハードルが高い。飼い始めた時は、まだ病気にならないだろうと思っていたり、保険料の高さや補償内容の複雑さから加入を見送り、後になってペット保険の必要性を感じたときにはすでに加入できないといったケースもあり、結果的に保険加入率も低くなっているのです」

アマゾンジャパン ペット用品事業部の古米氏
古米 潤氏 
アマゾンジャパン 事業本部長 消費財事業本部 ベビー・マタニティ事業部 ペット用品事業部 PX戦略室 サプライチェーン戦略部 管掌

こうしたペットオーナーの抱える問題は未然に防げないのか。そこで2023年11月にアマゾンジャパンはペット保険「わんにゃん安心保険」の取り扱いを開始した。

「特徴は、大まかに3点あります。1つ目は、生涯保険料を業界最安クラス(※4)に設定しました。加齢に伴う保険料の上昇を緩やかにし、一生涯入り続けやすい保険を目指しました。続いて2つ目が、業界最安クラス(※4)の生涯保険料としながらも補償内容が業界最高クラス(※5)である点です。通院・入院・手術のすべてをカバーし、年間の補償限度額も120万円と、手厚い補償内容となっています。

そして3つ目が、『わかりやすさ』です。1日支払限度額や年間支払限度回数を設けず、保険金請求を含む各種お手続きもWebで完結するなど、シンプルな仕組みを追求しました」(古米氏)

アマゾンペット保険のプラン
大きな治療料金でも自己負担額を抑えることができるうえ、医療が必要になる傾向の強い高齢のペットのために保険料の上がり幅も抑えている

Amazonだからできた新しいペット保険

Amazonが日本で保険商品を扱うのは初めてだ。なぜ「生涯保険料が業界最安クラス(※4)」や「補償内容が業界最高クラス(※5)」という品質を実現できたのか。同社ペット用品事業部 保険戦略担当の黛拓郎氏は、あいおいニッセイ同和損保のグループ会社、リトルファミリー少額短期保険とペット保険を共同開発し、それぞれの強みを生かすことでコストが抑えられたと明かす。

「まず、オンライン保険事業に強みがあるリトルファミリー少額短期保険と組めたことで保険料のベースを抑えることができました。

それに加えて、われわれAmazonには毎日本当に多くのペットオーナー様が買い物にいらしています。一般的な保険会社のように商品を知ってもらうために多大な資金をかけることなく、弊社に来られるお客様にわんにゃん安心保険を紹介することができることが大きいです」(黛氏)

アマゾンジャパン 保険戦略担当の黛氏
黛 拓郎
アマゾンジャパン 消費財事業本部 ペット用品事業部 兼 ベビー&マタニティ事業部 シニアプロダクトマネージャー(保険戦略担当)

保険の仕組み上、宣伝広告への多大な投資にかかる費用はすべて保険料に反映される。しかし、Amazonにはその必要はなく、多くのペットオーナーと接点をすでに持っていることから集客にかかるコストを抑えることができた。それだけでなく、小売りだけだったAmazonのフィールドを保険の販売にも広げられるメリットもあり、ペット保険市場に勝機を見いだしたのだ。

“Amazonで契約できる保険”はこうして生まれた

マーケット上のメリットを生かすことはもちろんだが、同社ペット用品事業の根底にあるビジョンが、ペット保険事業でも原動力になっていると同社ペット用品事業部 保険戦略担当の石山智彦氏は語る。

「私たちは『より多くの人とペットがより長く、より快適に暮らせる社会を作る』という揺るぎないビジョンを持っています。それを実現するには、気軽に動物病院に行けるための仕組みづくりが大切です。前述のとおり費用を抑えることはもちろん、この保険に加入された方は、アマゾンジャパンの販売するペットフードを、5%オフで購入可能としました(※6)。いつものお買い物にもメリットがあることで、少しでも品質のよいペットフードなどの購入に充て、ペットの健康をかなえてほしいという思いを込めています」

アマゾンジャパン 保険戦略担当の石山氏
石山 智彦
アマゾンジャパン 消費財事業本部 ペット用品事業部 兼 ベビー&マタニティ事業部 獣医師/シニアプロダクトマネージャー(保険戦略担当)

これまで同社ではペット用品事業と併せ、アマゾンジャパン社内の獣医師による「無料のフード相談」や、疾患・目的別に商品を選べる「犬と猫の食事療法食ストア」、動物保護施設が必要とする物資を寄付できる「保護犬・保護猫支援プログラム」などを通して、ペットが長く健康に暮らしやすい環境づくりを進めてきた。同社がペット保険にたどり着いたのも、ある意味で必然だったともいえる。

発売1年目にして、この「わんにゃん安心保険」はすでに多くのペットオーナーから支持を受けているという。

今回初の試みとなる目に見えない商品を扱うことはチャレンジングだったという同社。しかし、市場の可能性と強みを活かした新たな事業は経済的な価値だけでなく、単なる保険の枠を大きく飛び越えた社会的意義のあるものといえそうだ。
⇒わんにゃん安心保険の詳細を見る

(2024年9月承認)202409T037

※1 経済産業省 https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20230804hitokoto.html
※2 総務省の推計による。2024年4月1日現在
※3 株式会社富士経済の「2023年ペット関連市場マーケティング総覧」、一般社団法人ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」を参考にリトルファミリー少額短期保険にて算出
※4 犬(トイ・プードル)と猫の保険料について、ペット保険を扱う保険会社のうち、補償内容がホームページで確認ができ、補償割合が70%の商品があり免責金額を設けていない保険会社13 社の中で、0 歳~20 歳の各年齢の合計保険料を合算した保険料の安さが上位1 位(2024年4月時点)であることから、「生涯保険料業界最安クラス」と表記(リトルファミリー少額短期保険株式会社調べ)
※5 犬(トイ・プードル)と猫の補償内容について、ペット保険を扱う保険会社のうち、補償内容がホームページで確認ができ補償割合が70%の商品があり1 回の支払金額に上限がない会社9 社の中では入院・通院・手術の支払限度額の合計が1位、また1 回の支払金額に上限がある商品をもつ保険会社を含む14社の中では上位2 社内(2024年4月時点)であることから、「業界最高クラスの手厚い補償」・「ペット保険業界で最高クラス」と表記(リトルファミリー少額短期保険株式会社調べ)
※6 わんにゃん安心保険に契約し補償開始日を迎えた翌月1日から、年間4万円分の買い物まで、対象のペットフードが販売価格から5%OFFになるクーポンがプレゼントされる。2年目以降は、毎年契約更新日の翌月1日に新しいクーポンが付与される。適用対象はAmazon.co.jpが販売・発送するペットフード。クーポンの使用金額が利用上限額(2,000円分)に達していない場合でも、翌年度の新しいクーポンコードの発行と同時に古いクーポンコードは使用できなくなる