JTBがイベントに「行動経済学」を取り入れた理由 顧客との関係強化につながるイベントのあり方

参加者の「心に残る」ビジネスイベントにするには
カラフルな風船と旗で彩られたイベント会場。受付後方に設置されたDJブース。展示会場に並べられた軽食にお酒。そして軽く遊べるゲームまで――。
2024年7月16日、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された「JTB Engagement Festival」は、ビジネスイベントとしてはあまり見られないような非日常の空間で、まさに「交流」の創造を体験できる場であった。
イベント名に「Festival」とあるように、楽しい“祭典”の演出だ。企画設計を担当したJTB ビジネスソリューション事業本部マーケティングチーム マーケティング担当マネージャーの前澤美保氏は、その意図を次のように説明する。

ビジネスソリューション事業本部
マーケティングチーム
マーケティング担当マネージャー
前澤美保氏
「当社が実施しているビジネスイベントに関する調査によれば、ビジネスイベントに参加する目的として重視しているのが『通常では得られないコミュニケーションが図れる』ことであるとわかっています。
しかし、とりわけお客様向けのイベントだと、型にはまった形式になりがちです。お客様は本当にそのような時間を求めているのでしょうか。私たちは楽しい体験を提供することで、つながりをより深めてお客様とのエンゲージメントを向上することを目指しました」
そもそもJTBは、「交流創造事業」を事業ドメインとし、非日常の“交流”を提供することで、企業の顧客とのコミュニケーションの活性化や関係性の強化といったエンゲージメント課題に寄り添ってきた。ビジネスイベントの開催支援にも力を入れており、その数は年間1万件超(2023年度実績)にも上る。
「だからこそ、参加者の心に残るイベントを企画設計しなくてはならないと考えています。そのアプローチの1つが、行動経済学の視点を取り入れることでした」(前澤氏)
そこで、行動経済学コンサルタントとして活動する相良奈美香氏の監修の下、実施したのが冒頭で紹介したイベントだ。来場者の満足度は高く、アンケートでは「心から『楽しい』と思える時間を過ごすことができた」「心の楽しさもありつつ、印象深いイベントだった」といった居心地のよさを伝える回答が多数寄せられたという。
来場者の平均滞在時間が、平日の午後という時間帯にもかかわらず約3時間と長く、ゆったりと話し込む様子が多数見られたところにも、顧客とのエンゲージメント向上という成果につながったことがうかがえる。
今回のイベント内容で取り入れた行動経済学の視点とはどのようなものなのか。その詳細や最近のビジネスイベントの傾向などについて、ここからダウンロードできる資料で解説している。成果につながるイベント企画設計のポイントを知りたい人に、ぜひ資料を活用してもらいたい。