「お客様とつながり続ける」ための顧客情報一元管理

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結婚式場が、既存客との接点を生かしたリピーターの獲得に力を入れ、売り上げを伸ばしている。市場をリードするのが、老舗の結婚式場「八芳園」(東京都港区)だ。全社的な視点で「生涯顧客化」を進める同社の取り組みとはどのようなものなのだろうか。


 「結婚式場は一生のうちに何度も使うものではない」というのが常識だ。だがこれからは、その考えを改めるべきかもしれない。婚礼各社が今、力を入れているのが、挙式後の記念日需要など、リピーターの獲得、すなわち「生涯顧客化」だ。

その仕掛け人でもあり、業界をリードするのが、結婚式場として60年以上の歴史を誇り、年間約2000組の結婚式を取り扱う港区白金台の「八芳園」だ。昨年8月には、3フロアからなるウェディングサロンをオープンさせた。

八芳園 取締役専務総支配人
井上義則 氏

同社取締役専務総支配人の井上義則氏は、新たなウェディングサロンの狙いについて「私たちはTEAM FOR WEDDINGという言葉を掲げて、ふたりの“はじまりのストーリー”をつくるお手伝いをしてきました。ここからはこれをさらに発展させ、TEAM FOR LIFETIMEという考え方のもと、永続的な“終わらないストーリー”を紡いでいきたいと考えています」と語る。

たとえば、結婚記念日のパーティーでは、挙式当日の料理や飲み物のメニュー、テーブルコーディネートやカード類までそっくり再現することもできるという。記念日を祝う夫婦や家族の喜びもひとしおだろう。なぜこのようなことが可能なのだろうか。

「生涯顧客化」の実現には、情報の一元管理が不可欠

こうしたサービスが実現できる理由について、井上氏は「顧客と一生つながり続けるという決意を社内外に宣言して以来、私たちはそのための組織をつくり、舞台装置を整えてきました。でも本当に個々のお客様のストーリーに寄り添い続けるには、それに加えて情報が必要なのです」と語る。

経験豊富なスタッフであれば、自分が携わった結婚式の様子や顧客の声などを記憶しているだろう。だが、それだけに頼っていては、全社的な共有はできない。さらに、そのスタッフが退職してしまうと、情報が失われてしまうことになる。「生涯顧客化」を実現するには、情報を永続的に一元管理することが不可欠なのだ。

本当の意味での「生涯顧客化」を実現するために同社が期待するのが、クラウド型営業支援・顧客管理ツール「Salesforce(セールスフォース)」だ。ウェディングサロンのオープンに先立って導入しており、これまでは挙式後のアンケートデータの管理などで活用してきたが、今後は、結婚式当日のメニューやアイテム、写真や映像、その後の利用履歴などの情報を一元的に閲覧できるようにしていくという。

「ブライダル業界全体で生涯にわたってお客様とつながり続けるという動きが広がっていけば、それが結婚式場の新たな価値となり、結果的に結婚式の実施率も上がっていくと思うのです」と、井上氏は力を込める。

「生涯顧客化」が必要なのは、決してブライダル業界だけではない。下のバナーからは、同社の「ヒト・モノ・情報」の三位一体化に向けた取り組みの詳細を記したスペシャルPDFが、無料でダウンロードできる。同社の取り組み事例は、多くの企業にとって、大いに参考になるだろう。