｢土地のみに投資する｣という資産形成の選択肢 建物を所有しない｢底地投資｣の特徴とは？

「土地のみに投資する」定期借地権を活用した不動産投資手法

少子高齢化や年金制度を取り巻く環境の悪化など、将来への不安を背景に資産形成に対する関心が高まっている。政府も「貯蓄から投資へ」をスローガンに掲げ、2024年にはNISAの年間投資額の増加や、非課税期間の無期限化に踏み切るなどマインドシフトを後押ししている。

株式や投資信託など、投資手法や商品の種類は多岐にわたるが、その中でも不動産投資は古くからある選択肢の一つだ。物件の売買や家賃収入を得るイメージが強い不動産投資だが、不動産を直接購入するのではなく、出資することで間接的に不動産投資ができる手段がある。それが地主フィナンシャルアドバイザーズの「地主倶楽部」だ。

不動産投資の対象は一般的に、土地・建物セットでの投資となることが多いが、「地主倶楽部」は建物を投資対象から除外し、底地（定期借地権が設定されており、土地の所有者が第三者に貸し出している状態の土地）のみに投資。土地を貸したテナントから得た借地料を投資家に分配するという仕組みだ。

東証プライムに上場する地主株式会社の100％子会社、地主フィナンシャルアドバイザーズが2023年から一般投資家向けに販売しており、1口10万円から投資できる点が特徴である。

「土地のみに投資することで、建物に係るさまざまなリスクや手間がかかりません。空室リスクもなく、修繕・改修などの追加投資も不要です」と語るのは、地主フィナンシャルアドバイザーズ代表取締役の榎本龍馬氏だ。

「地主倶楽部」を通じて
一般投資家の資産形成を支援したい
地主フィナンシャルアドバイザーズ
代表取締役
榎本 龍馬氏

「地主倶楽部」は、地主株式会社が生み出した不動産投資手法「JINUSHIビジネス」に基づいて設計された商品である。「JINUSHIビジネス」は、土地を仕入れ、その土地をテナントに貸すことで、借地料が入る底地にする。その底地を金融商品として投資家に売却するというものだ。

「人口動向や足元商圏、道路付け、周辺環境などを検証したうえで、将来にわたり転用の可能性が高い土地を購入します。土地をお貸しするのはスーパーやホームセンターなど生活必需品を扱うテナントや、ホスピスや物流施設といった社会インフラを担うテナントなど多岐にわたっています。

テナントと20～50年程度の定期借地契約を締結することで、長期的に安定したキャッシュフローが見込める仕組みにしています」と榎本氏は紹介する。

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将来の資産形成の選択肢の一つに

2016年に地主グループは、底地に投資し機関投資家の資金を運用する国内唯一^※1の底地特化型私募リート^※2「地主プライベートリート投資法人」（以下、「地主リート」）を設立。地主リートは8年連続増資を達成し、2024年には2216億円の資産規模となるなど、機関投資家を中心に幅広い支持を得てきた。榎本氏は「地主倶楽部」が誕生した経緯について次のように説明する。

「当社グループは、『JINUSHIビジネスを通じて安全な不動産投資商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う』という経営理念を掲げております。底地への投資は魅力的な資産運用の手段の一つにもかかわらず、その投資機会は機関投資家や一部の資産家に限定されてきました。そこで、1口10万円という少額から手軽に投資できる一般投資家向けの『地主倶楽部』を通じて、底地への投資機会を広く投資家に提供したいと考えたのです」

榎本氏は続ける。「『地主倶楽部』では、私たちがプロ目線で適正価格だと判断して仕入れた土地を、当社の利益を乗せずに仕入れ価格のまま底地として組成し、不動産金融商品にしています。そのため『地主倶楽部』に投資いただく投資家の皆様には、不動産価格の下落幅を一定程度吸収できる商品を提供していると考えています」。

今後はさまざまな地域で、多岐にわたるテナントの底地をコンスタントに商品化し、一般投資家の幅広いニーズに応えていきたいとのこと。資産ポートフォリオの一つとして「地主倶楽部」を検討してほしいと力を込める。

「将来の資産形成の選択肢の一つとして、『地主俱楽部』が当たり前になることを目指していきます」と榎本氏はインタビューを締めくくった。

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