セミナーレポート

JAL、アシックスにみる
新たな価値創造を目指した業務改革

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経営変革を起こすきっかけとしてのIT活用を考える「経営変革フォーラム2015 変革時代のIT活用のあり方」が6月、東京・千代田区で開かれた。新たなIT基盤導入が社員の行動と意識を革新し、経営理念・計画を実現する変革に至った企業の事例を紹介。IT活用と企業変革の関係を探った。

●主催:東洋経済新報社 ●特別協賛:ドリーム・アーツ

基調対談
企業変革を成功させるメカニズム

ビジネスコンサルタント
クニエ コンサルティングフェロー
細谷 功

会社組織は成長につれて、リスク・失敗を避けようと「できない理由」が得意な社員が増加するなど、成熟・老化が進む。ビジネスコンサルタントの細谷功氏は「企業の成熟期には、試行錯誤する『確率論』よりも、データを分析して論理で判断する『決定論』が重視されるようになります」と、組織老化の問題を指摘して、流れを逆行させる変革を訴えた。これに対し、ドリーム・アーツの山本孝昭氏も「データと論理の意思決定による閉塞状況を打破し、変革を進めるべきです」と強調した。

ドリーム・アーツ
代表取締役社長
山本 孝昭

変革の進め方について「組織をリセットするような不連続な変革が必要」と考える細谷氏は「2次元で動くアリに代えて、3次元の視野を持つキリギリスによる変革を期待しても、アリの巣の中では跳べません」と述べ、イノベーションを起こす思考回路を持った人材起用だけでなく、人材を活かす環境整備の必要性も指摘。そのためのIT導入も、顧客の要望をそのまま受け入れる御用聞き型から、顧客が抱える課題の本質を見抜く課題解決型へシフトしていく、と見通した。

変革をスムーズに進めるカギは、経営と現場との緊密な意思疎通にある。それを実現するソリューションとして、山本氏は、同社の協働・協創基盤「知話輪(ちわわ)」を紹介。「現場で湧き上がる『これはいい』『やばい』といった内発的な意識を、間引かずに経営に伝えることで、経営レベルの判断材料として生かされ、変革がドライブされます」と説明した。

講演
変革を推進する熱血担当者とエバンジェリスト達のストーリー
お客様と本音でぶつかり合う“対話からの創造”

ドリーム・アーツ
栗木 楽

ドリーム・アーツのソリューションが、多くの大手企業から支持を集めているのはなぜか――。同社の栗木楽氏は「ビジネス環境の変化が激しい中では、経営と現場のチューニングが必要です。ITを本当の武器にするため、われわれは、現場に通って実態を見る『現場100本ノック』アプローチを取っています」と語る。最近のケーブルテレビ局のプロジェクトでは、訪問営業に同行し、現場の人々と対話を重ね、その意見をツールに盛り込んだ。施策成功には、変革リーダーの存在、現場業務のリアリティ、使いやすいツール……といった要因がそろう必要があると指摘した栗木氏は「まずITが行動のきっかけをつくり、それが人、組織を変え、変革につながる」と力説した。

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