受験で「ミス引きずり大混乱」回避する1つの方法 できなかった問題ばかり頭に浮かんでしまう

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試験当日、いろんな科目のいろんな問題を解いていく中で、「できなかった問題」ばかりが頭の中に浮かんでしまうことがあります。

次の問題・次の科目に頭を切り替えて前に進むべきなのに、「さっきのあの科目の1問、間違えちゃったんだよな……」「あの問題の答え、『ア』でよかったのかな……」と、頭の中で前の問題がフラッシュバックしてしまい、試験に集中し切れなくなってしまう受験生は後を断ちません。

しかしこれは、「特定のことを一度意識してしまうと、その特定のことがそのあともずっと自然と目に入ってしまう」という人間の性質・通称「カラーバス効果」で説明がつきます。

ミスを引きずったとき、どうすればいい?

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最初のほうのたった1問の、ちょっとしたミスを、過剰に引きずってしまっているだけなのです。本当はできた問題もあったはずだし、本当は普段よりも点数が高いかもしれないのに、「できた数問」よりも「できなかった1問」に意識が向いてしまっているだけかもしれないのです。

これに対しての対処法は、とてもシンプルです。「自分を強く信じること」です。精神論のように聞こえるかもしれませんが、これ以外に方法はないと思います。今までの頑張りが結果を出すことを信じて、前に進むことだけです。

「どうしよう」と思っても、「さっきの問題が間違いかもしれない」と思っても、やることは変わりませんよね。ただ、自分のこれまでの頑張りを信じて、次の問題に向き合うこと以外はありません。

よく、「メンタルが弱いから受験に落ちた」という人がいますが、「メンタルが弱いから」といって、「受験に落ちる」ということはありえません。

メンタルが弱くて、自分の今までの頑張りを信じ切れず、普段と違う問題の解き方をしたり、普段とは違う順番で問題を解いてしまったりして、その結果として落ちるのです。

普段の自分の頑張りを信じ切れないから落ちるのであって、決して、メンタルの弱さが直接的な原因ではないのです。


だからこそ、「自分はメンタルが弱い」と考えている人ほど、「普段どおり」を意識する必要があります。


桜木先生も漫画の中で言っていましたが、「最後は基礎」です。付け焼き刃のものではなく、普段から徹底している基礎の部分で、勝負は決まります。

カラーバス効果に惑わされず、最後まで自分を信じ、基礎を徹底できた人が、合格できるのではないかと思います。みなさんぜひ、全力で挑んでみてください!

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西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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