「本人確認」の改善が顧客体験向上につながる理由 イオンフィナンシャルサービスが選んだ方式は

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イオンフィナンシャルサービスの光石 博文氏
イオンフィナンシャルサービス 執行役員 システム本部 本部長 光石博文
なりすましによる不正が増えたことで、本人確認が厳格化している。利用する側にとっては煩わしさを感じるだけに、本人確認プロセスの改善は重要だ。小売りと密接に連携した金融サービスを展開するイオンフィナンシャルサービスも、改善に力を注いでいる総合金融事業会社の1つ。時間と手間を大幅に低減し、顧客体験向上を目指す取り組みに着目した。

認証にかかる時間を約1分に大幅短縮

総合金融グループとして、日本を含むアジア11カ国・地域で事業展開するイオンフィナンシャルサービス。とりわけキャッシュレス決済に力を注ぎ、イオンカードなどのクレジットカードやスマートフォン決済「AEON Pay」を提供している。

2023年6月には、決済およびプロセッシング事業を担っていた子会社のイオンクレジットサービスと合併した。執行役員の光石博文氏は、その目的について次のように話す。

「さらなるグループシナジーを追求するとともに、『いつでも、どこでも、安全、安心、便利でおトク』に利用できる決済サービスを強化するのが目的です。そのためには、高度なセキュリティーを担保できる本人確認の仕組みを整備することが重要だと考えています

グループ会社のイオン銀行では、オンライン上で本人確認が完結するeKYC(electronic Know Your Customer)をいち早く導入。主流となっている「写真付き本人確認書類の画像+容貌(顔)の画像」の方式を採用してきた。

ただ、この方式は容貌だけでなく、本人確認書類を裏・表に加え厚みまで撮影しなくてはならないため利用者の負担が大きい。煩わしく感じる人が多いのか離脱率も高くなっている。

「撮影画像は目視で検査する必要がありますので、すべて完了するまでに1日では終わらないこともあります。業務負担やコストがかかっているのも課題でした」(光石氏)

そこで同社は、マイナンバーカードを使用した「公的個人認証」を導入。それまで1回約5~10分かかっていた本人確認を約1分へと大幅に短縮させ、顧客体験の向上に成功した。もちろん、業務負担やコストの削減にもつながっている。
※操作時間は5分程度だが、書類のななめ撮影に時間がかかる場合がある

なぜ同じ本人確認なのに、認証方式の違いで時間やコストが大きく変わってくるのだろうか。こちらのページから無料でダウンロードできる資料では、法的に定められた認証方式をまとめ、それぞれのメリットとデメリットを整理した。eKYCと公的個人認証の「基本のキ」をチェックし、本人確認プロセスの見直しに役立てたい人はぜひ参考にしてほしい。
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