「出社してもWeb会議」に適したネットワーク ひとり情シスで「ゼロトラスト実現」は可能か?

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ネットワークやセキュリティーなど、企業のICT基盤を構築するには、一定の時間とコストがかかるというのがこれまでの常識だった。だが、コロナ禍をはじめ、予測不可能な変化が起こるのが当たり前になり、働き方も目まぐるしく変わっている。こうした中、働き方に合わせてICT基盤を自在に動かすことができ、従量課金制で通信コストの最適化を図れるサービスがあるとしたらどうだろうか?

コロナ禍におけるさまざまな経験を経て、働き方をはじめとする生活スタイルが大きく変化した。出社とリモートワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を含め、コロナ禍以前のようにオフィスで働く人が増える一方で、「出社してもWeb会議」が定着してきたことが最たる例だろう。取引先や在宅勤務の従業員はもちろん、外出先から会議に参加することも当たり前になったため、オフィスにいながらWeb会議をする機会が増えたのだ。

当然、トラフィックが大幅に増加。オフィスの回線が逼迫し、通信速度の低下や通信の断絶が起こりやすくなるため、多くの企業でネットワーク環境を整備する必要性に迫られている。NTTコミュニケーションズの村本健一氏は次のように語る。

NTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部 第一サービス部門 担当部長 村本健一
NTTコミュニケーションズ
プラットフォームサービス本部
クラウド&ネットワークサービス部 第一サービス部門 担当部長 村本健一

「一度構築したネットワークの帯域は簡単に拡張できません。『出社してもWeb会議』が増えたことで、1つの拠点当たりのWeb会議につなぐパソコンの台数を限定せざるをえなくなるという問題も発生しています。そのため、1台のパソコンで2~3人が参加しているケースも少なくありません」

4割以上「ゼロトラストセキュリティーに注力したい」

ネットワークの整備には、セキュリティーの問題が欠かせない。パソコンを外に持ち出すこと自体が珍しかった時代は、社外と社内の「境界」を防御するのがセキュリティーの基本的な考え方だったが、今や社外アクセスが当たり前となっている。つまり、あらゆるアクセスに対して安全性を確認する「ゼロトラスト」の考え方が必要不可欠なのだ。

「ゼロトラストに対する関心は非常に高まっています。弊社のお客様にアンケートを実施したところ、企業規模や役職を問わず、4割以上が『ゼロトラストセキュリティーに注力したい』と回答しています」

だが、ゼロトラストセキュリティーに対応したソリューションの導入は、容易ではない。コストがかかるうえ、一定以上の知識やノウハウがないと運用できないからだ。

「ゼロトラストセキュリティー分野は、新たな技術がどんどん入ってきていますので、ITエンジニアでも高度な専門知識を持っていないと対応できません。エンジニアの人数が少ない中小企業はもとより、対応できるエンジニアの少なさに危機感を募らせている大手企業も増えています」

ゼロトラストセキュリティーは、あらゆるアクセスや攻撃を想定するため、適切なサービスを選定するだけでも苦労する。リモートアクセスにネットワーク、ネットワーク間の通信を中継するゲートウェー、SI(システムインテグレーション)、端末……。運用が煩雑になるため、一つひとつに対応するのは、大きな負担となる。1~3人程度の少人数でシステム部門を担う、いわゆる「ひとり情シス」も珍しくない中小企業ならなおさらだろう。

店舗展開や建設現場でスムーズなICT基盤構築

こうした中、「選べるネットワーク、選べるセキュリティー」をコンセプトにNTTコミュニケーションズが提供を開始したのが、統合ネットワークサービス「docomo business RINK」だ。

「SD(Software Defined)技術を活用してネットワーク制御機能をクラウド型で提供するサービスで、『NaaS(Network as a Service)』という新たな概念で開発しました。モバイルアクセスでは工事不要ですぐに使えますし、申し込みから設定変更までWebで完結します。料金は使った分だけの時間課金制ですので、必要なときだけネットワーク帯域を拡張したり、Web会議のトラフィックだけインターネット経由にする機能(ローカルブレイクアウト)を使ったりすることで、通信コストの最適化を図ることもできます。セキュリティーも機器導入が不要なクラウド型で、ファイアウォール・UTM(統合脅威管理)機能を備えたセキュリティーゲートウェーなど、厳選した機能を提供しています」

いつでも、どこからでも簡単につながる環境が実現できるため、スピーディーなビジネス展開を支えるとともに、情報システム部門の負荷を減らすこともできる。

「新店舗やポップアップイベント、移動式店舗や建設現場などでも、ルーターの電源をONにするだけで5G回線のネットワークが簡単に構築できます。また、全国に多数の拠点を持つ企業からは、ネットワークの管理負担が減ることにメリットを感じていただいています。さらに、『ネットワークに詳しいエンジニアでなくても設定変更が容易にできる』と、WebポータルのUIも高く評価していただいています」

ICTインフラのあるべき姿とは?

ゼロトラストセキュリティーを含め、ネットワーク環境の整備は、難易度が高くコストがかさむイメージが根強いが、「docomo business RINK 」は2023年11月のローンチ以降、問い合わせが多数寄せられているという。

「スモールスタートができるので、まずは使い心地を試してネットワークの見直しに備えていただくのもいいかもしれません。また、これまで培ってきたノウハウと豊富なリソースを生かして、ネットワークキャリアだからできるネットワーク網内でマルウェア感染による悪性通信を検知・遮断するゼロトラストセキュリティー機能の提供を計画するなど、これからも随時進化させていきます」

NTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部 第一サービス部門 担当部長 村本健一

コロナ禍がそうだったように、社会情勢やビジネス環境が目まぐるしく変化する中で、働き方に合わせてICT基盤を自在に動かしたい。そんなニーズを先取りしたのが「docomo business RINK」だといえるのではないだろうか。

「これまでは、モバイル回線と固定回線、セキュリティーサービスは別々に展開されるのが当たり前でした。しかし、予測不可能な変化が起こるのが当たり前になってきた今、これらを統合したサービスとして、お客様の変化に対してスピーディーかつ柔軟に対応できるセキュアなICT環境を提供することが、あるべき姿だと思いますし、われわれの使命だと考えています」

※ NTTコミュニケーションズが2022年10月〜23年3月に実施したお客様の声調査
 

>>>「docomo business RINK」の詳細はこちら