「現場DX」を遅れさせている根本的な要因とは? 人手不足と技術継承、2024年問題の「解決策」

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建設、輸送、製造、小売り、ヘルスケア、農業、教育といった現場で活躍するデスクレスワーカーは、就業人口の半数近くを占めている。現在も人手不足に悩む現場が多い中、今後の人口減少を踏まえれば早急に業務効率化を進め、省人化しても現場が回る状況を整えなくてはならない。しかし、その起爆剤として期待される「現場DX」は遅れているのが現実だ。その要因はどこにあるのだろうか。
※総務省統計局「令和2年 労働力調査年報」によれば、就業者数におけるデスクレスワーカーの割合は47%だった

デスクレスワーカー特化アプリが少ない弊害

「デスクレスワーカーに共通している課題は、人手不足に加えて現場の高齢化によって技術継承がうまくいっていないことです。とりわけ建設や土木の現場は、残業時間の上限規制が始まる『2024年問題』への対応が必要ということもあり、その傾向がかなり強まっています」

そう説明するのは、高耐久スマートフォンの提供を通じて現場DXを支援してきた京セラ 通信機器事業本部 通信事業戦略部 クロスインダストリービジネスユニット事業開発1課 課責任者の矢島孝之氏。現場の危機感は高まっており、スマートフォンの導入は進んでいるというが、使われる機能はまだ通話やメール、チャットが中心。「業務効率化になかなかつながらず、DX化が進まないというお悩みをよく聞きます」と明かす。

なぜ現場DXは進まないのか。デスクレスワーカー向けのIP無線アプリ「Buddycom」(バディコム)を展開するサイエンスアーツ 事業本部 第1営業部 部長の加納佐有子氏は、「現場でDXのイメージが湧きにくい状況がある」と指摘する。

「オフィスワーカー向けの便利なアプリケーションはたくさんあります。日常的にデスクでPCを使った業務を行っていますので、どう活用するかという発想も浮かびやすいでしょう。一方で、デスクレスワーカーに特化したアプリケーションやITツールは非常に少ないのが現状です」。サイエンスアーツ 企画本部 本部長の平岡竜太朗氏は、「管理者向けのものはようやく増えてきましたが、現場の人たちが使いこなせなければ、業務効率化は進みませんし、人手不足問題の解決にはつながりません」と続ける。

デスクレスワーカーの多くが中小企業で、DX専任の担当者を配置できないのもボトルネックとなっている。かけられるコストや工数に限りがある中で、必要な情報収集や知識習得に時間もかけられない担当者がDX化のロードマップを適切に作成できるはずもないだろう。

そうした現状を踏まえ、京セラはソフトウェアベンダーやSIerとの連携に力を注いでいる。高い耐久性と堅牢性に加え、現場で使いやすいシンプルな操作性を兼ね備えたスマートフォン端末で、多彩なアプリケーションを活用できるようにすることで、現場の課題を迅速に解決しようというわけだ。

すでにサイエンスアーツの「Buddycom」との組み合わせは、多くの現場で採用され、コスト面でも導入に際しての現場の心理的なハードルを下げていることで高い評価を受けている。こちらのページから無料でダウンロードできる資料には、その具体的な取り組みに加え、2024年1月下旬に新発売される京セラの高耐久スマートフォン『DuraForce EX』の詳しい情報もまとめているので、ぜひ確認してほしい。
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