東洋経済オンラインは、独自に算出した全上場企業の「生涯給料」をまとめている。生涯給料とは、新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額のことだ。これまで「全国トップ500社」「東京都トップ500社」「東京都除く関東」「近畿地方576社」などのランキングを紹介してきたが、今回は「中部」に本社を置く会社のランキングをお届けする。
集計の対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県の各県に本社を置く企業398社。単体の従業員数が10人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いた。
『会社四季報』2023年夏号での調査データと有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「賃金構造基本統計調査」を基に試算した。
業種分類ごとに賃金カーブ(賃金の伸び率)を算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて金額を推計した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
大卒総合職ばかりの企業と、製造現場があるメーカーとでは給与の仕組みが違うことや、男女の賃金格差が存在するが従業員の平均額としていることに留意が必要だ。
純粋持ち株会社では中枢機能を担う少数の社員だけが在籍しているケースがあり、大多数が在籍する主要子会社と年収が大きくかけ離れていることがある。こうした純粋持ち株会社については原則としてランキングの対象から除外している。従業員数、年収、年齢で欠落データがある企業も一部除外している。
また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
1位のファナックは4億8491万円
トップ3位は、1位ファナック(4億8491万円)、2位フジミインコーポレーテッド(3億9022万円)という結果になった。ファナックは工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のメーカーで、産業用ロボットなどでも強い超優良企業として名高い。トヨタ自動車は6位にランクインしている(3億2866万円)。
398社の生涯給料を単純平均すると推計2億2889万円。東京都の2億4233万円よりも落ちる結果となった。また、生涯給料が3億円を超す企業は12社と中部全体の3%強となった。