本当は深刻な「ウェブ会議」映像カクカク問題 10Gbps「標準化」が日本経済の発展に必要な訳

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ソニービズネットワークス 代表取締役社長 小笠原康貴
コロナ禍で加速したデジタル活用の広がりは、オフィスへ出社するビジネスパーソンが増加した今なお続いている。今後もテクノロジーがどんどん進展し、あらゆる先端テクノロジーの活用が求められることが予想される中、企業が時代の変化に合わせて進化・成長するためには、何が必要なのか。ソニービズネットワークス 代表取締役社長の小笠原康貴氏に話を聞いた。

新型コロナウイルスの感染拡大から3年以上が経過し、オフィスへ出勤するビジネスパーソンが増える中、多くの企業でネットワーク環境の整備が課題になっている。

法人向けのインターネットサービスを展開するソニービズネットワークス 代表取締役社長の小笠原康貴氏は次のように解説する。

「オフィスへの出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを含め、オフィスで働く人が増えています。一方で、コロナ禍で進んだウェブ会議やクラウドサービスの利用、大容量データのやり取りといったデジタル活用が後退するわけではありません。となると、こうしたビジネスのあり方に耐えられるオフィスのネットワーク環境を整えなければならないのですが、なかなかうまくいっていない企業が多いというのが実情です」

ソニービズネットワークス 代表取締役社長 小笠原康貴
ソニービズネットワークス 代表取締役社長 小笠原康貴

例えば、ウェブ会議をする際、参加者に1人でもテレワークするメンバーがいたら、全員がウェブ会議で参加することになる。オフィスにいるメンバーが、それぞれのデバイスから参加することも少なくないだろう。そうなると、ウェブ会議だけでトラフィックがグンと増加してしまう。結果、ネットワーク環境の整っていないオフィスだと、「映像がカクカクする」「音声が途切れる」といった問題が発生してしまうのだ。

10Gbpsの法人向け高速インターネット接続サービス

こうした中、ソニービズネットワークスが、法人向け高速インターネット接続サービスの新メニュー「NUROアクセス 10G」の提供を開始した※1

「当社ではもともと、下り最大2Gbpsのサービスを中心にご提供していました。しかし、デジタル技術の進展・活用によって、年々トラフィックが伸びていて、今後も伸び続ける可能性が高い。そのため、多くの企業に品質の高い高速回線を利用していただこうと、満を持してローンチしました」

「NUROアクセス 10G」の通信速度は、上下最大で10Gbps。スペックだけを見れば同様のサービスはほかにもあるが、国際的に標準化された伝送規格「XGS-PON」を採用し、独自のネットワーク構成やトラフィックコントロールによって、上下最低10Mbps以上の帯域を確保している。

NUROアクセス 10G

また、ユーザーには固定グローバルIPアドレスが標準で1つ割り当てられ、オプションでその追加もできるほか、24時間365日対応のリモート保守も提供しており、状況に応じて現地での保守対応も行う。また、ネットワークの稼働率を保証するSLA(サービス品質保証制度)を標準装備しており、サービスが基準値に満たない場合、料金の一部が返還される。

コストパフォーマンスを可能にする理由

ここで気になるのがコスト面だろう。

「近い将来、通信回線を10Gbpsにしたいと考えている企業は少なくありません。一方で、『料金が現状より大幅に高くなるのであれば、今のままでいい』といった声も多くあります。つまり、10Gbpsを浸透させるためには、価格が現状と同程度である必要があります。だからこそ、われわれは、月額2万3850円※2という競合他社と比較しても圧倒的に低い価格帯にこだわってサービスを開発しました」

NUROアクセス 10G

通信サービスは全国一斉に展開されることが一般的だが、エリアごとに需要のばらつきがあるため、全国一斉の展開となると、高品質・低価格のサービス展開が難しくなる。

「当社では、初めに価格と品質を決めます。そのうえで、価格と品質のバランスが実現可能で、需要が一定以上あるエリアに絞ってサービスを展開します。ユーザーが増えて運用コストが下がったら、ほかの地域にも拡大する。そこが、一般的な通信事業者と異なる点であり、コストパフォーマンスを可能にしている最大の理由です。

もちろん、限られたエリア展開のままでいいと考えているわけではなく、段階的に全国規模で展開することを目指しています。現状のエリアで導入が進んで、10Gbps回線が標準化できれば、コストパフォーマンスを維持したまま展開エリアを広げられ、より広範囲での標準化が進む。そんなビジネスモデルを構築したいと考えています」

低スペックの回線ではままならない時代がくる

では、10Gbps回線を導入した場合、企業にはどのような変化が起こるのか。

ウェブ会議が快適に行えたり、クラウドサービスの利用や大容量データのやり取りがスムーズになったりといった利便性の向上は言うまでもないが、それ以上に注目したいのが「攻めのDX」による競争力の向上だ。

ウェブ会議

日本でDXというと、業務効率化やコスト削減といった「守りのDX」に、目が行きやすい。もちろん「守りのDX」も重要だが、競争優位性を高めて成長を遂げるには、イノベーションや新しいビジネスモデルを創出する「攻めのDX」がより重要になってくる。

「『攻めのDX』には、AIやSaaS、IoT、メタバースといったあらゆる先端テクノロジーが必要で、どれを使うにしてもトラフィックは増大します。今後、スペックの低い回線ではままならない時代が確実にやってきます」

10Gbps回線は、いわば“骨格”ということだろう。つまり、動物でも建物でも、サイズが大きくなるとそれに見合った骨格が必要なのと同様に、企業が時代の変化に合わせて進化・成長するためには、高速大容量回線という骨格が必要だということだ。もっと言うと、テクノロジーの進展が目覚ましい時代において、日本経済が発展するかどうかは、10Gbps回線が標準化されるかどうかにかかっているということだ。

「攻めの投資によって成長を目指す企業を、サービスを通してサポートする。それこそが、当社が一貫して持ち続けてきた“思い”であり、『NUROアクセス 10G』の展開もその一環です。ぜひ、企業成長のインフラとして有効活用していただきたいです」

※1 提供エリアの詳細はこちら
※2 開設に当たり、初期費用(5万円)や事務手数料(3000円)、基本工事費(5万円)が別途必要