旭化成「約2万人」にオンライン学習を導入 学び方の変革で「終身成長+共創力」を実現
マテリアル領域からスタートした総合化学メーカーの旭化成は、1922年の創業以来、時代のニーズに合わせた事業ポートフォリオの変革を行いながら成長を遂げてきた。現在は、住宅やヘルスケアといった領域でも大きな存在感を示している。
「ニーズやシーズによるところもありますが、変革を牽引してきたのは間違いなく“人”です。社内外でさまざまな人がつながり、新たな発想・価値を生み出すことで事業を展開してきました」
そう語るのは、同社人事部 人財・組織開発室 課長の三木祐史氏だ。
実際、リチウムイオン電池を開発し、ノーベル化学賞を受賞した同社名誉フェローの吉野彰氏や、電子コンパスを開発した同社シニアフェローの山下昌哉氏も、社内外のつながりを生かして、事業化を推進してきた。
ところが、グローバルで4万人以上、国内だけでも2万人近い従業員を抱える大企業ならではの課題も抱えているという。
「働きやすさや風通しのよさは増しているかもしれませんが、事業も成長し、安定志向が強くなってしまっている。既存事業や組織の枠にとらわれず、積極果敢に挑戦し、成長に向けて提案していく活力が薄れているのではないかという危機感があります」(三木氏)
人は財産、すべては「人」から
危機感を抱いているのは、三木氏だけではない。
2022年に発表された中期経営計画に、経営基盤強化の1つとして「人財のトランスフォーメーション」が盛り込まれた。「人は財産、すべては『人』から」という基本思想の下、社員の自律的成長を後押しし、多様な個が活躍できる基盤づくりを推進しようとしているのだ。
その戦略の柱としているのが「終身成長」と「共創力」の2つ。経営層や人事部の発案ではなく、現場のリーダー層が集まって話し合い、導き出したのだという。
「キャリアを自律的に描こうとする人財に対し、会社が貢献できることはたくさんあると思っています。終身成長という言葉には、『一人ひとりが自分らしく挑戦し、成長を目指せるよう、会社としてサポートする』というメッセージが込められています」(三木氏)
終身成長するためには、当然ながら学び続ける必要がある。そこで22年に立ち上げたのが、同社独自の学びのプラットフォーム「CLAP(クラップ)」だ。学びといえば孤独なイメージが付きまとうが、Co-Learning Adventure Placeの頭文字を取った名称からも明らかなように、互いに学び、キャリアの冒険をたたえ合う場所にしようとしている。
注目すべきは、国内約2万人の従業員全員にアカウントを発行している点だ。しかも、企業向けオンライン学習は利用率が低迷しがちだが、立ち上げ直後に81%という驚きの結果が出ている。
コンセプトも成果も企業向けオンライン学習の常識を覆す旭化成の取り組みとは、具体的にどのようなものなのか。詳しくは、こちらのページから無料でダウンロードできる資料にまとめているので、ぜひ確認してほしい。