米国の原発事情【上】 全米104カ所の原発は安全か? 原子力規制委員会(NRC)による安全性チェックのゆくえ


ホワイトハウスや議会以上に、米国で新規原発建設を遅らせることになるのは資金の出し手としての銀行かもしれない。米国の原子力発電会社のほとんどは相対的に規模が小さく、規制のない電力市場で競争せざるを得ない。

厳しい安全規制、責任保険、さらに地元民の了解を得るための骨の折れる作業など、それらを積み上げれば新規原発建設コストは60~100億ドルにも上る。

連邦融資保証が得られたとしても、その額は緊縮財政で削減される可能性があり、さらに完成までに相当の時間がかかる原発建設を進めようとする原発会社に対し、米国の銀行が信用供与をするかどうかはまったくはっきりしない。

今後、米国は原発を利用し続けることにはなるだろうが、その利用拡大については予備的かつ慎重にならざるを得ず、遅々として進まないだろう。

(下)では、米国の原発会社の個別事情についてレポートする。

(ピーター・エ二ス特約記者、ニューヨーク在住、翻訳:伊豆村房一 =東洋経済オンライン)
写真:ディアブロ・キャニオン原発、同社サイトより


より大きな地図で 東日本大震災 を表示

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • おとなたちには、わからない
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ついに上場廃止、大塚家具の末路
ついに上場廃止、大塚家具の末路
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
2050年の中国<br>世界の覇者か、落日の老大国か

米国と並ぶ超大国を目指す中国。しかし中国の少子高齢化はこれまでの想定を超える速さで進行しています。日本は激変する超大国とどう付き合うべきか。エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、大前研一ら世界の賢人10人が中国の将来を大胆予測。

東洋経済education×ICT