漏洩で毀損される企業のブランド価値
「2015年10月からマイナンバーの通知が始まり、各企業はたとえば16年分から源泉徴収票にマイナンバーを記載しなければなりません。社員全員とその扶養親族のマイナンバーを集めるのですが、この場合、免許証やパスポートなど本人確認をする書類の写しも添付してもらって確認をしなければいけません。そうして集めた12ケタのマイナンバーを一つひとつ入力するわけです。この作業だけでも、企業にとっては大きな負荷になるでしょう」
だいこう証券ビジネスの執行役員・業務企画部長の田岡成基氏は、そう言って顔を曇らせる。負担の重さとは裏腹に、企業の動きが遅いからだ。
企業が集めるマイナンバーは、社員と扶養親族からだけではない。何らかの報酬を支払っているすべての個人から集めなければならない。顧問弁護士、会計士、税理士、オフィスビルの大家、配当を支払っている株主……。
これらの人から社員同様にマイナンバーを集め、12ケタを入力する。田岡氏は「1人分の処理に延べ20分はかかる」と見ている。マイナンバーが記載された用紙、本人確認の書類と番号カードの写しが入った封筒を開封し、住所、氏名、生年月日、マイナンバーなどに間違いがないかチェックし、その上でミスのないように入力する必要があるからだ。
1000人分を処理するにはざっと330時間以上、3000人分なら1000時間。それだけの作業をこなすにはいったいどれだけのマンパワーが必要になるのだろうか。しかも、その作業にはマイナンバーが外部に漏洩しないように厳重なセキュリティが求められ、入力した後もマイナンバーを記載した書類およびマイナンバーを格納するデータベースは厳重に管理するとともに、所定の期限が来たら廃棄しなければならない。
しかも万が一、マイナンバーが外部に漏洩したら、企業は責任を厳しく問われる。故意の漏洩であれば刑事責任を追及されることになるし、過失であっても民事損害賠償などを求められるリスクがある。そのことが事件として報道されれば、企業のブランド価値は取り返しがつかないほど毀損される。
NISAで証明された質の高い事務処理能力
マイナンバー制度に関連してだいこう証券ビジネスが提供するサービス内容は、新たに必要となる帳票の設計・印刷から社員向け案内の印刷、本人確認書類の回収、さらにマイナンバーデータの作成、保管、廃棄など、外部委託できるすべての業務と言っていい。これは、単に作業が楽になるということだけではない。セキュリティという面でも、負担が圧倒的に軽くなるのだ。
「企業が自力でマイナンバー制度に対応しようとしたら、極端に言えば窓のない部屋を社内に用意しなければなりません。漏洩リスクを考えたらそれくらいのセキュリティが必要なのです。当社は外部を遮断した空間を確保し、そこで集中的に作業をすることで高いセキュリティを保ちながら、コストメリットを出すことができます。データの管理という面でも長年の実績がありますから、安心してお任せいただくことができます」(田岡氏)
同社は証券会社や金融機関のバックオフィス業務を長年にわたって行ってきた。たとえば、昨年から始まったNISA(少額投資非課税制度)の申し込みには住民票の原本が必要。厳正な本人確認が行われるため、万全のセキュリティ体制が求められる。ここでも、同社は申し込みの受け付け業務を証券会社や銀行に代わって行い、そのシェアは約50%にのぼる。
また、同社は野村総合研究所グループの一員であり、野村総合研究所が開発するマイナンバー保管専用のデータベースを活用することになっている。システムの構築・運用面でも日本最高水準の品質が保証されているというわけだ。

「処理が完了した受入書類はすべて溶解します。シュレッダーではデータを復元される危険性が捨てきれませんからね」
そう言って田岡氏は胸を張る。そこまでの徹底したセキュリティポリシーがあるからこそ、これまでに同社は多くの証券会社や銀行から受注を続けているのだろう。それ以外にも、印刷会社や人材派遣会社と共同事業体を組むなど、急激な受注増加にも対応できる体制を築いている。
制度開始直前になって日本全国が大混乱?
マイナンバー制度に関して、まだ動いていない企業も多いことだろう。一方で、制度導入スケジュールに変更はない。「開始直前になって多くの企業が一斉に準備に動きだすと、日本中で大混乱が起きかねない」と、田岡氏は指摘する。
「企業が自社で対応しようと決め、必要な作業を洗い出したところで『やっぱり自社スタッフでは足りない、臨時スタッフを雇おう』となっても、その時に望む人材が枯渇している可能性もあります。何しろ、日本全国で同じ人材が求められるわけですから」
その一方で、コスト増をよしとしない経営者の中には「総務や経理の残業で何とかしてくれ」と考える向きもあるようだが、それはあまりに早計だ。
「ある程度以上の規模の企業でしたら、自力で対応するのは人員・設備の面で難しいでしょうし、コスト面でもむしろアウトソースしたほうが安くつく可能性があります」(田岡氏)
仮に自社対応でコストを抑えたとしても、漏洩によるレピュテーションリスクが増大しては意味がない。漏れなければ何もないが、一度漏れれば、その企業の存続に関わるような致命傷になりかねないのだ。いずれにせよ、まだ動いていない会社はすぐにでもマイナンバー対策を開始したほうがよさそうだ。
※この内容は、2015年4月時点で入手しうる情報に基づいており、今後、政府・業界団体等の動きにより、変更が生じる可能性があります。
※だいこう証券ビジネスのマイナンバー関連サービスは、金融商品取引業者および登録金融機関のお客様を対象としておりますが、それ以外のお客様につきましても、現在法令上必要な手続きを進めております。