トヨタ、今期収益予想は過去最高益を更新 章男社長「挑戦の実行段階に」

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ダイハツ工業<7262.T>と日野自動車<7205.T>、中国合弁会社を含むグループの世界総販売台数は1015万台(前期が1016万8000台)と微減の見通し。今期の業績予想は増収増益・過去最高ながら、販売計画も含め、市場環境の悪化や競争の激化などを反映させた。

小平信因副社長は「新興国を中心に全体的に市場は不透明だ」と指摘し、エコカー減税の基準見直しで対象車種が減っている国内市場も「厳しくなる」と語った。

好調な北米は283万台と前期に比べ4.2%増えるが、日本で212万台(同215万4000台)、欧州は82万台(同85万9000台)、アジアが144万台(同148万9000台)といずれも減少を見込んでいる。ロシアや中近東などでの不振も織り込む。

前期の売上高7年ぶりに過去最高、純利益は2兆円超

同時に発表した2015年3月期の連結決算(米国会計基準)によると、営業利益は前の期に比べ20%増の2兆7506億円となり、2年連続で過去最高となった。

北米での販売が好調だったほか、輸出の採算が改善する円安効果も寄与した。営業利益に対し、為替変動の影響と原価改善でそれぞれ2800億円ずつ利益を押し上げた。

前期の売上高は同6.0%増の27兆2345億円だった。リーマン・ショック前の2008年3月期(26兆2892億円)を上回り、7年ぶりに過去最高を更新した。

グループ総販売台数は同0.3%増の1016万8000台と2年連続で過去最高となった。消費税増税の影響があった国内は減少したが、需要が旺盛な北米などが伸びた。

前期の純利益は同19.2%増の2兆1733億円と初めて2兆円を突破し、2年連続で過去最高を記録した。期末配当は125円(前期は100円)で、中間の75円(同65円)と合わせ、年間として前期比35円増配の200円(同165円)を実施する。配当性向は29%。

同社は合わせて自社株買いも発表した。自己保有株を除く発行済株式総数の1.27%にあたる4000万株、取得総額3000億円を上限とする自社株買いを実施する。取得期間は第1回AA型種類株式の発行後から2016年3月31日まで。

証券ジャパンの大谷正之・調査情報部長は「前期実績が(従来計画から)上振れる一方、今期は保守的な予想だが、他社も同じような傾向なので失望はない」といい、今期の想定為替レートと現状の為替レートからみて「利益の上積み余地もある」との見解を示した。

また、自社株買いについては「発行株の1.27%と規模は大きくないが、株主還元の姿勢を示したこと自体が市場でポジティブに評価されるだろう」と述べた。

  (白木真紀 取材協力:伊賀大記 編集:田中志保 野村宏之)

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