臨場感のあるWeb会議を実現させた「先端技術」 「クリアな映像と音声」がもたらす価値創造とは
とにかく煩わしかった「会議室でのWeb会議」
協和キリンは従業員数5982人(連結、2022年末現在)。「医薬」の事業分野において、高度な技術とユニークな視点で独自の研究を進め、高品質な医薬品を開発・提供している。COVID-19によるパンデミックの発生後も売上収益は伸び、2022年12月の連結最終利益は過去最高益を更新(前期比2.3%増の535億円、売上収益は3984億円)したが、働き方は短期間で大きく変わったとICTソリューション部 クラウド&グローバルインフラストラクチャーグループ長の渋谷正吉氏は話す。
「パンデミック前のコミュニケーションは、メールと電話がベースでした。会議は対面が基本で、海外との会議用にテレビ会議システムを備えた会議室はあったものの、使用頻度は決して高くありませんでした。それがパンデミックで一変し、Microsoft Teamsを使用した会議の利用回数が劇的に上がったのです」(渋谷氏)
移動に時間を要することもなく、場所も選ばず会議に参加できる利便性から、一気に普及したWeb会議。すぐに当たり前の存在となったこともあり、早い段階で「オフィスでのWeb会議」の課題が顕在化する。
「とにかく煩わしかったんですよ。モニターとケーブルをつないで、マイクを別に設置しようとすると、時間どおりに会議を始めるには10分前には会議室に入ってセッティングの確認をしなくてはなりません。それでもハウリングが起きたり、声が聞こえなかったりといったトラブルは多かったですね」(渋谷氏)
ICTソリューション部へのクレームも多かったと振り返る渋谷氏。そのとき、海外拠点で先行導入していたロジクール会議室ソリューションの評判を聞いたという。
「既存のテレビ会議システムはちょうど保守切れしていましたし、Teams会議を会議の標準プラットフォームとして全社に設定していましたので、親和性がありUX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)の高いソリューションが欲しかったんです。海外拠点からの『マニュアルや特別な研修をしなくても利用できるほど操作が簡単で、管理もしやすい』、『普段利用するPCやスマートフォンよりも画質・音質が優れている』といった評価も、ロジクールの会議室ソリューションを導入する決め手となりました」(渋谷氏)
非言語コミュニケーションを実現する独自技術
導入を決定したのは、2020年の春。コロナウイルス感染拡大に伴う第1回目の緊急事態宣言中だった。それほど早期に決めたのは、先を見据えてハイブリッドワーク環境が必要だと判断したからだ。
背景には、加速する同社のグローバル展開がある。それに伴い、各部門に海外メンバーが加わる編成へと組織の見直しを行っていた。
「海外メンバーが会議に常時参加するようになったため、パンデミックの収束後も全員が会議室にそろう状況にはならないと判断しました。それに、海外メンバーとのコミュニケーションを円滑にするためより臨場感があり、参加者同士の親近感が湧く会議ができる環境を整えようと思ったのです。緊急事態宣言中なので、導入が業務を妨げずに済むのもチャンスだと思いました」(渋谷氏)
そうしてスピーディーに導入された会議室ソリューションは、どんな「会議室体験」をもたらしたのか。本社および各拠点の導入を担当したICTソリューション部 クラウド&グローバルインフラストラクチャーグループの洪允智氏は「非言語コミュニケーションまで実現した」と話す。
「とくに、母語や公用語が異なるメンバーが集まって会話をする場合、Teams Roomsおよびロジクール会議室ソリューションを用いて、音声だけでなく表情や身ぶり、会議室の雰囲気から得られる情報の大きさ、非言語的なコミュニケーションの重要さを再認識できました」(洪氏)
相手の表情をしっかり視認できるうえ、会議室の空間まで把握できるのは、ロジクール独自のテクノロジーである「RightSense™」の賜物だ。声を最適化してノイズを制御し会話の明瞭度を高めるうえ、カメラが話者に追従し自動的に動いてズームを調整するため、つねに全員が画像内に収まる。さらに、照明条件に関係なく光のバランスや色・彩度を最適化し、あらゆる肌色を自然に表現。プロジェクター使用時に照明を落としていても人物の区別ができる。こうした技術の支えで、スムーズなコミュニケーションが実現するというわけだ。
「画質や音質の高さには、従業員の皆さんからも驚きのコメントをいただいています。とくに音は、かなり小さなささやきも拾いますね。以前は、大きな会議室だとマイクから離れた場所にいる人の声が聞き取りづらいのではと懸念していましたが、その必要もなくなりました」(洪氏)
大きめの会議室では、天井埋め込み式のマイクも採用。マイクポットだと机を移動するとき床に落とす危険性があるほか、配線が邪魔になるが、そうした心配がなく会議室のレイアウトもシンプルになる。結果、「より臨場感のある会議ができるようになった」という声も集まっているという。
「予約さえしておけば、オンタイムで会議室に入ってワンタッチで参加できる手軽さも魅力です。カメラやオーディオのセッティングを気にすることなく会議に参加できるので、『ちゃんとつながるかどうか確かめないといけない』といった心理的な負担がなくなったのは非常に大きいですね」(洪氏)
ホワイトボードカメラをイノベーション空間で
ロジクールの会議室ソリューションがもたらした「会議室体験」の特徴は、「いつの間にか当たり前のように使っている」ことだ。
「まだ導入していない会議室をそうと知らずに使った従業員から『会議室に無いと非常に不便。逆に無いことでシステムのよさを実感した』と言われたのが非常に印象に残っています。導入をさらに拡大しなければと思いました」(洪氏)
その言葉どおり、同社では徐々に導入を拡大している。デバイスを一元管理でき、リモートでアップデート対応もできるツール「ロジクール Sync」があるため複数拠点に展開しやすいのもポイントだと両氏は話すが、ソリューションの汎用性の高さも功を奏しているようだ。一般的な会議室ソリューションは、スペースのサイズを選ぶものも多いが、ロジクールは、多彩なタイプの会議室や共有デスク、談話スペースといった小空間まであらゆるスペースに対応。スピーカーフォン一体型のドッキングステーション「Logi Dock」を小さな会議室に導入したほか、このような豊富な選択肢は新たな組織活性化のアイデアも誘発している。
「プレゼンターを透過する機能を持つAI搭載のホワイトボードカメラ『Scribe』を導入して、小さな会議室を利用した『イノベーションラボ』(ページ最上部の写真を参照)を立ち上げました。画面と近いところに席の輪をつくってリモート側も一体感が得られるようにしています。体験ツアーを展開したところ、従業員には非常に好評です」(渋谷氏)
ロジクールの会議室ソリューションを起点に広がるイノベーションの波。それをしっかりと広げているのは、ICTソリューション部による丁寧な周知・啓発活動だ。導入時には関係部門や本国内の拠点を対象にデモンストレーション付きのオンライン説明会も開催し、困ったときにすぐ参照できるクイック版マニュアルを各会議室に用意。会議への参加方法や共有ボタン、リモコンの説明などポイントを絞ってその場で見られるよう紙1枚にまとめるなど、ユニバーサル対応を意識している。なお、結果的には操作が簡単なため、現在はマニュアルは必要なく撤去されたということだ。
「会議室ソリューションに限らず、つねにユーザー目線を重視し、IT視点で考えないことを心がけています。すべての従業員の方に便利に使っていただきたいですし、各拠点の設備担当の方に余計な負担をかけたくないですから。とくに会議室は、個々が最大のパフォーマンスを引き出せる場所から会議に参加し、それをシームレスに結び付ける場にしないといけないと思っています」(渋谷氏)
困難なアンメットメディカルニーズ(UMN/有効な治療方法がないも
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