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AIに負ける物書きと「利用して勝つ人」を分ける差 人間がなすべき仕事の内容が変わっていく

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AIが文章を書き始めた。ビジネスパーソンはどう動いたらいいか(写真:elise/PIXTA)
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検索エンジンBingに新しい機能が搭載され、指示を出すだけで文章が得られるようになった。出来栄えは、人間がどのような指示を出すかによる。文章を書く作業の内容が大きく変わる。上手く利用すれば、知的活動の可能性を広げられるかもしれない。
昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第90回。

ChatGPTは、脅威だとは思わなかった

2月22日に、マイクロソフトの検索エンジンBing(ビング)に新しい機能が搭載された。人間が出す指示に応じて、AIが文章を書いてくれる。この技術は、「対話型生成系AI技術」と呼ばれる。

私はこれにかなりショックを受けている。なぜなら、AIが私の仕事を奪う可能性が、現実味を増したと感じるからだ。

この背景を述べよう。

昨年12月にChatGPTという対話型生成系AIのツールが公開された。文章を書く作業が自動的に行えるようになり、大きな反響を呼んだ。世界中で利用者が急増し、2カ月で1億人になったといわれる。

これを用いて書かれた本がアマゾンのキンドルストアに現れた。ロイターが伝えたところでは、著者もしくは共著者にChatGPTの記載がある電子書籍が、2月半ば時点で200冊を超えた。ChatGPTを利用したことを開示していない著者が多いため、AIを使って書かれた本は、もっと多いと見られている。

ただし、私は、これにはショックを受けなかった。

その理由は、ChatGPTが出力する文章には、往々にして、事実に反する内容があるからだ。

小説(とくにSF、ファンタジー、童話)の場合には、事実に反することが書いてあっても、問題はない。犬が人間の言葉を話しても、一向に構わない。だから、ChatGPTが出力した文章をそのまま公開しても、問題は起こらない。

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【ChatGPTで書けるのは小説に限られる?】

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