精神科医が語る「学校嫌いの子」に勧めたい考え方 「苦手」は本当に克服すべきことなのか?

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「苦手なこと」は本当に克服しなければいけないのでしょうか(写真:Komaer/PIXTA)
グループから浮いている子、苦手が多くて学校が嫌いな子、集団生活になじめない子……そういった子が生きやすくなるにはどうしたらいいのか、そして「苦手なこと」は本当に克服しなければいけないのか。発達障害専門の精神科医・本田秀夫氏は、まずは自分の特性を理解することで進むべき道が見つかると語ります。
本田氏による『10代からのメンタルケア 「みんなと違う」自分を大切にする方法』を一部抜粋・再構成。10代のための生き方のヒントを紹介します。 

他人に合わせるよりも自分のやり方やペースを大事に 

みんなと合わないことが多くて、いつもすれ違ってばかりいると、悩んでしまいますよね。そういうときは基本的に、相手に合わせるよりも自分のやり方やペースを大事にしたほうがいいと私は思っています。 

世の中には、いろいろなタイプの人がいます。さまざまなことを平均的にうまくできる人もいれば、得意不得意が分かれていて、勉強はよくできるけど運動は苦手という人もいます。 

もちろん、努力や工夫によってカバーできる面もありますが、得意なことと苦手なことでは、カバーできる程度が違います。みんなに合わせようと思っていても、どうしても苦手で、うまくできないこともあるんです。

自分がどんなタイプか知るためのわかりやすいやり方

自分のやり方やペースを大事にするためには、自分のタイプを知ることが大切です。私は、自分のタイプを知るためには、「興味」の持ち方を考えるのがわかりやすいと思っています。

みなさんは、いま何に一番興味がありますか? 人それぞれ思い浮かべるものは違うと思いますが、みなさんがその対象に興味を持ったのはなぜでしょう。おそらくみなさんの「好き」は一つの言葉だけ、一つの理由だけでは言い表せないような、特別な気持ちなのではないでしょうか。人が何かに興味を持つときには、特に理由がなく、気がついたら好きになっていたということがよくあります。

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