「寿司テロ犯人」自己破産しても"免責されない"訳 「損害賠償義務」はなくならない可能性が大きい

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寿司テロ
「自己破産」すれば、損害賠償義務から逃れられるのでは、という意見がツイッター上でも見られましたが……(写真:flyingv/PIXTA)

レーン上の他人の寿司を食べたり、醤油ボトルの注ぎ口を舐めたり、寿司につばをつけるなど、回転寿司店で、客の迷惑行為を撮影した動画がSNSで拡散を続けている。

被害に遭った「スシロー」では、運営会社が行為の当事者と保護者から直接の謝罪を受けたものの、それを受け入れず、民事・刑事で法的措置をとる考えを表明した。

もしも、損害賠償を求める裁判を起こされた場合、それが億単位・数千万円単位であっても、このような迷惑行為では「自己破産」しても支払いの責任を免れないことがあるという。

バカな行いで一生を棒にふることがあるかもしれず、本当に注意が必要だ。

断じて許さない回転寿司大手の各社が法的措置を検討

「スシロー」だけでなく、同様の迷惑行為が確認された「はま寿司」も警察に被害届を提出し、「くら寿司」でも過去に撮影された動画をめぐって警察に相談するなど、業界をあげて断固として迷惑行為を許さない姿勢がみてとれる。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

それもそのはずで、SNSでは「もう回転寿司に行きたくない」などの声も実際に上がっているからだ。スシローでは、醤油差しの交換などの対応に追われ、一時は株価も大きく下落したという。

そのような中、ツイッターでは2月2日に、「自己破産」というワードがトレンド入りした。

裁判で企業から巨額の損害賠償を請求された場合、自己破産しても、支払いを免れないといった趣旨の指摘があったのだ。

企業から裁判を起こされ、億単位、数千万円規模の損害賠償を求められ、その請求が認められた場合に、当事者としては「到底支払うことはできない」こともあるだろう。

そのような場合に、自己破産しても免責されないことはあるのか。債務整理にくわしい冨本和男弁護士が解説する。

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