「企業を応援する」気持ちこそ、投資成功への近道 投資=お金儲け「だけ」の人が見落とす視点
「一般生活者の
財産形成のお手伝いをさせていただく」
――1996年の創業以来、さわかみ投信は日本における独立系直販投信の草分け的存在として誕生し、今日までの歴史をつくり上げるに至っています。改めてどんな特徴を持つ会社だとお考えでしょうか。
一口に言えば、日本を元気にしたい、面白くしたい会社だと言えます。面白いとは、人々が生き生きと人生を送れるような日本にしたいということです。
では、どうすれば私たちは生き生きと生きていけるのか。その課題の1つがお金の不安です。お金の不安があるから、自分が本当にやりたいことにブレーキをかけてしまう。お金の不安をもし解消できるならば、一人ひとりが自立した豊かな人生を過ごすことができるはずです。そのためにも、長期投資の思想を基に、皆がつながって、よりよく生きていける社会を実現していきたいと考えています。
――創業者で父である澤上篤人氏から後任を引き継がれて約10年。投資哲学において変化したことはありますか。
もともとは、上がると見込まれる株を割安な時に購入して大量保有する、いわゆる材料株投資を基本としていましたが、投資先企業との信頼関係が高まるにつれ、より一社一社にコミットし、成長を一緒に歩もう、関係値をもっと濃くしていこうという判断で、300社ほどあったポートフォリオを100社ほどに絞りました。
会社のビジョンについては、「一般サラリーマン家庭の財産形成のお手伝いをさせていただく」というところからスタートし、現在はさまざまなお客さまにご利用いただくようになったため、より間口を広く「一般生活者の財産形成のお手伝いをさせていただく」に変更しました。「お金の不安の解消」や、その先にある「自立した豊かな人生」という具体的な指針については、父親と共に仕事をしながらつくってきた経緯があり、会社の姿勢を一貫できていると感じています。
日本企業に投資するのは、「魅力的だから」ではない
――2024年からは長期投資を加速させるNISA制度の変更も予定されていますが、足元の23年の株式市場の動向については、どう見ていらっしゃいますか。
全体としては、これまで長く続いた上げ相場が反落すると見ています。今年は株式も不動産もいっそう冷え込んでもおかしくないでしょう。昨年も同じような予測をしましたが、もし今年も引き続き上げ相場になるなら、それだけ落ちるべき崖が高くなるはずです。
コロナ禍の相場で成功した人も失敗した人もいるかもしれませんが、身をもって失敗すれば勉強ができます。本来の資本市場とは何か。投資家とは何か。上場企業に投資することにどんな意味があるのか。失敗すれば、腹落ちする形で、きちんとした投資を学ぶことができるのです。
――さわかみファンドのポートフォリオは国内企業が多くなっていますが、日本の株式市場全体については、どうご覧になっていますか。
日本の株式市場は、このままでは伸びないと感じています。投資家が企業や市場の成長を信じられていないからです。
もちろん、日本企業にはイノベーションや新陳代謝的な要素がまだまだ足りていないのも事実でしょう。しかし、その一方で、これだけ莫大なお金があり、基礎能力の高い企業が多くある国はほかにそうありません。
昨今の日本では、「投資は自らを肥やす手段」としてのみ捉える傾向にありますが、本質的には企業の成長に貢献し、その結果としてリターンがあるものです。企業の成長を信じて、短期ではなく長期で見て投資ができる人が日本に増えれば、日本企業や市場も魅力のあるすばらしいものになると考えています。
さわかみ投信が主に日本企業に投資している理由は、「日本企業が魅力的だから」というよりも、「投資を通じて皆でもっと魅力を磨ける市場が日本であること」そして「日本人として今後も住み続けるこの国を誰が支えるのだ」という気概に基づいているからです。
私たちには、投資を通じて、
未来づくりに参加する権利がある
――インデックスファンドに人気が集まる中、さわかみ投信はアクティブファンドであるにもかかわらず、なぜ強さを持続できるのでしょうか。
さわかみ投信では、毎月1万円から積み立てを始める方が多いです。そうして長期投資の視点でコツコツ積み立てていくことで、毎日の相場を見ずに忘れていたら、いつの間にか殖えていたというお客さまが少なくないのです。長く投資をされているお客さまほど、相応の結果を得ることができます。
私たちがいちばんうれしいのは、運用成績が下がったときも、私たちを信じて付き合ってくれるお客さまがいるということです。もし将来株価が下がるようなら準備をし、実際に下がれば逆手に取った運用をすればいい。下がることが決して悪いことではなく、むしろチャンスになるということを、私たちはつねにお客さまとコミュニケーションできています。それが強さの理由かもしれません。
――具体的にお客さまとどうコミュニケーションを取っているのですか。
例えば私は、地方のセミナーの申し込み人数がたった一人でも、現地に出向きます。「こんな地方に来るのは、さわかみさんくらいだ」とよく言われます。ときには、ある地方で「朝9時から夜9時までこのカフェにいます」とお知らせすると、お客さまが自分たちの都合のいい時間に合わせて、入れ代わり立ち代わり来てくださいます。そうしたお客さまとのコミュニケーションを大事にしています。
――澤上さんは、経営者としてどんな日常を過ごしているのですか。
お客さまとコミュニケーションを取るほか、どんなサービスがお客さまに喜ばれるのか。そのために会社をどんな体制にすればいいのか。そうしたことを考えています。
もちろん市場の動きも見ますが、運用者の視点とは若干異なるかもしれません。例えば、市場が下げ相場になったときに、日本の投資家はどんな心理になるのか。それによって法制度がどうなるか。あるいは、金融業界はどう動くか。投資の視点はもちろん、日本が今後どうなるかという視点から考えることが多いですね。
――これからさわかみ投信をどんな会社にしていきたいとお考えですか。
私たちは創業時から、一般生活者向けのプライベートバンキングサービスというものを考えてきましたが、変わらずお客さまを大切に、よりいっそう、一人ひとりの目的に沿った投資運用ができる体制・仕組みづくりを強化していきます。
人の思いを大事にし、未来の可能性に投資をしていきたい。そのためにも、お客さまと一緒に長期の航海をする中で、船から見える景色ももっとクリアに見せていきたいです。いわば、市場や企業の話をもっとお客さまに紹介していきたいと考えています。
投資には未来を変える力があります。私たちはその未来づくりに参加する権利を持っています。皆さんは未来をどうしたいのか。その当事者として参加できる手段が投資なのです。その意味でも、皆さんと一緒に新たな航海をしていきたいと考えています。
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