ワークライフバランスと成長を両立する秘訣とは 「エンジニアの理想」を叶える職場環境の作り方
転職して感じた「裁量の大きさ」と「社員の責任感」
「システムを使うユーザーの目線に立ち、自分の発想を生かしながらシステム構築に携われるところに仕事のやりがいを感じています」
そう言って笑顔を見せるのは、グローバル市場システム本部で三井住友銀行の証券システムに関わるプロジェクトマネジメントやシステム開発を担当する若宮さおり氏。学生時代数学の教師を目指していた時期もあるという若宮氏は、情報処理を学んだことがきっかけでIT業界に興味を持ったという。
「プログラミングの仕組みに興味を持ったことがきっかけでしたが、自分が手がけたものが目の前で動くという、いわばモノづくりの面白さにひかれました」(若宮氏)
その後、新卒で入社したITベンダーから日本総研に転職。入社してまず驚いたのは、エンジニアの裁量の大きさだった。
「同じSMBCグループの企業である当社を信頼し、任せてくれているため、実現したいものをユーザーと一緒に追求できるという点が大きなやりがいとなっています。責任は大きいですが、難易度の高い仕事に取り組むことを後押しする風土が根付いており、金融という社会インフラに関わる仕事に対して誇りと責任感を持っているメンバーが多いため、高いモチベーションで仕事に向き合えます」(若宮氏)
士気が高いからといってガツガツしているメンバーやスタンドプレーに走るメンバーがいるわけではなく、メンバー同士のコミュニケーションはとても和やかとのこと。
「プロジェクトを成功させるために一緒に乗り越えようという意識を持っているため、メンバー間で意見が異なった場合でも建設的に議論を進めることができます。また、チームワークで仕事を進める意識が根付いており、協力し合う体制が整っているためとても働きやすいと感じています」(若宮氏)
性別やライフステージ問わず、誰もが働きやすい職場
エンジニアとして日々やりがいを感じ、仕事を通して自己実現を果たしている若宮氏を支えているのは、「働きやすく、働きがいのある職場づくり」に尽力してきた人事部の存在だ。
同社ではかねて、男女問わず多様な価値観を持つ従業員が自分らしく、そして存分に成果を発揮できるようにするため、さまざまな制度を策定してきた。根幹となるコンセプトについて、人事部の諏佐三枝子氏は次のように話す。
「当社の持続的成長の源泉は人材にほかなりません。人事部では、社員が存分に成果を発揮できるよう、働きやすさと働きがいを両輪に環境整備を行っています。とくにダイバーシティの観点からは『性別やライフステージを問わず働きやすい職場づくり』をコンセプトとして取り組みを進めてきました。社員の多様な事情に対応できるように働き方の拡充をはじめとした制度整備はもちろんのこと、社員が自分自身にとって最適な働き方を理解・選択しやすいよう周知方法を工夫しています。また、研修等を通じて相互に尊重・配慮し合う風土づくりにも取り組んできました。今後も制度拡充と同時に、社員が働きやすさを実感できる環境を充実させていきたいと思います」(諏佐氏)
育児休業制度や育児短時間勤務制度などのほか、家族や親族に介護や看護が必要になった場合の介護・看護休暇、介護休業制度、介護短時間勤務制度など、ライフステージの変化に応じて多岐にわたる制度を用意。制度設計の際には、現場の声を拾いながら効果が最大化するよう丁寧に検討しているとのこと。
現在、次長として14名の部下を束ねる若宮氏は、こう続ける。
「休暇制度一つとっても、さまざまな種類が用意されています。どのような休暇制度が用意されているかを定期的にメンバーに対して周知するとともに、グループとしても休暇を取得しやすいような仕組み・雰囲気づくりを心がけています」(若宮氏)
人事部と管理職の連携により、「人に寄り添った制度をしっかり使う文化」が根付いているのだ。ちなみに、産休育休明けの女性復職率はなんと100%。若宮氏も日本総研に転職後に1児を出産し、育休を取得したのち復職した。男女ともに育休を取得しやすく、また復職しやすい環境が整っているのだという。復職後に希望するポジションを相談する場も設けており、育児と両立しながらキャリアを構築できることも安心して制度を使える理由なのだろう。
また、コロナ以前からテレワークの環境を整え始めていた同社では、現在も在宅勤務の日数に上限を設けておらず、現場の裁量で在宅勤務を継続している。金融系のシステムを扱うとあって、万全のセキュリティを施した状態でエンジニアが仕事に臨めるような環境を整えたという。
子どもが6歳になる若宮氏も「在宅勤務の導入でフレキシブルに働けるようになり、子どもと向き合える時間が増えました」と話す。
もう一つ、若宮氏が魅力を感じているのが、学びを後押しする環境だ。日進月歩で進化する技術を吸収し、自身の成長につなげる社員を支援するために多種多様な研修を用意している。諏佐氏は次のように説明する。
「集合型研修だけではなく、eラーニングや通信教育など数多くの研修プログラムを用意しています。各自の知識やスキルに応じて選択可能で、ビジネススキル、エンジニアスキルを磨くものや最新の技術動向を学べる勉強会など幅広いジャンルをそろえています。また、資格によっては、受験料の補助や合格奨励金が出るものもあります」(諏佐氏)
「世の中の動きに機敏に対応できるエンジニアとして成長し続けるため、つねに学ぶことを大切にしています」と語る若宮氏は、資格試験も積極的に活用。直近では、ディープラーニングなど人工知能の知識を問う「ジェネラリスト検定(G検定)」に挑戦し、受験料補助の制度を利用したという。
若宮氏のように高い向学心を持つメンバーの期待に応えるべく、研修プログラムを充実させ続けた結果、簡単には数えきれない量まで増えたそうだ。
ビジョンを共にする仲間と未来を拓きたい
日本総研は金融グループのインフラを支える企業として、SMBCグループの事業戦略をITで実現し、新たな金融サービスを創出することで広く社会・経済に貢献している。その組織を深く見つめたときに、働く個人への配慮と投資を惜しまない姿勢があった。
そんな同社は、現在一緒に働くエンジニアの仲間を募集している。
「当社のITソリューション部門では『SMBCグループをITで牽引するテックカンパニー』を目指す姿として掲げ、ITトランスフォーメーションの推進や、人材の多様化・風土変革などさまざまな施策に取り組んでいます。世の中の変化を察知し、新しいものを自らつくり、変えていく気概がある方、ITを活用して世の中をよりよくしたいと考えている方を仲間に迎え、共に当社の価値を高めていきたいと考えています」(諏佐氏)
銀行システムやクレジットカードなどの金融システムの企画、プロジェクト推進を担うプロジェクトマネジャーや、要件定義、開発を担うエンジニア、セキュリティや先端技術の調査・研究といった専門領域に特化したものなど幅広いポジションを設けているため経験や適性に応じて活躍できる。
最近は、ITベンダーやユーザー企業のシステム部門から転職した人材のほか、フリーランスのエンジニアが入社するケースも増えている。多彩なバックグラウンドを持ったエンジニアが活躍しているのも、同社の柔軟さの証左といえるだろう。管理職に就いて4年目を迎える若宮氏は、最後にこうメッセージを送る。
「当社は性別もバックグラウンドも関係なく、エンジニアとしてさらなる成長を遂げたい方が輝ける職場です。平等にチャンスがありますので、自分自身の可能性を広げられる環境であることは間違いありません」